THE WIND AND THE LION (1975) イスラムの守護者コネリーの颯爽たる活躍 またしてもショーン・コネリー主演作。 007で成功した時期と、初老のシブさが評価される時期に挟まれ、長い不遇の時代がコネリーにはありました。 ボンドのイメージで固定されるのはイヤだとボンド役を引退、いろいろな作品にチャレンジするも、評価も興行成績も芳しくなかった時代。(そういえばプロデューサーから「やめろ」と言われる前に自分から引退したボンドはコネリーだけかな?) 本作は、そんな不遇時代の1本です。 コネリーが本当に演じたかったのは女たらしのボンドではなく、「男の中の男」を体現した本作のライズリのごとき人物だったのでは・・・ 女子供には優しいが、男を侮辱する女は平気で殴る(実生活でのコネリーも女を殴る人だったらしいよ)、山賊の頭目にしてイスラムの守護者ライズリを、007時代とは比較にならなほど生き生きと演じていますな。 アクションや戦闘シーンも迫力あるし、キャンディス・バーゲンもなかなかきれいだし、ジョン・ミリアス監督の傑作だと思いますが、評価は低かったみたいね。 ハリウッドがこんなカッコいいイスラム教徒のヒーローを描くなんて今では考えられないし、貴重な1本だと思います。 *** サクッと簡単あらすじ *** 欧米列強に支配されていた頃のモロッコ。 金持ち西洋人の邸が山賊ライズリ一味に襲撃され、3名を除いて皆殺しにされる。 殺されずに人質になった3名とはイーデン(キャンディス・バーゲン)とその長男、長女。 ライズリの居城へと連行される旅の中で、男らしく知性のあるライズリに魅かれていくイーデン。 2人の子供も、すっかり山賊と仲良しに。 脱走して無法者に捕まったイーデン親子を、馬に乗りたった1人で助けに来るライズリのカッコよさ! 彼の目的は、列強の言いなりになる堕落した太守にハッパをかけ、外国勢を撃ち払うことにあった。 一方、アメリカではテディ・ベアのモデルとなったセオドア・ルーズベルト大統領が、イーデン親子の救出を宣言。 「メテオ」でコネリーと共演するブライアン・キースがルーズベルトを、「007/カジノロワイヤル(旧)」の監督ジョン・ヒューストンが国防長官を演じています。 ちなみにセオドア・ルーズベルトは史上初めて柔道の茶帯を取得した大統領なんだって。 そういえばパーティーの客人の中に日本人がいますな・・・ ルーズベルトの送りこんだ海兵隊は、たちまち太守の館を占拠。 ライズリに「人質を返せば、西洋人はモロッコから撤退するし、あとは自由にすればいいよ」というメッセージを送る。 まんまと誘い出されたライズリはドイツ軍に捕らえられ、イーデン親子は救助される。 あれ?いつの間にかアメリカでなくドイツが悪役になってるぞ? 汚い取引に怒ったイーデン、アメリカ海兵隊にも協力してもらい、ドイツ軍の砦を奇襲、ライズリを救出! ライズリの手下たちも駆けつけ、現代の水準からみてもド迫力の戦闘シーンが展開。 イーデン親子に見送られ、風のように去っていくライズリ一党であった。 その後、ライズリからルーズベルトに手紙が届く。 「あなたは風、私はライオン・・・」という有名な手紙ですが、どちらかというとライズリが風でルーズベルトがライオンな感じ。 ともかく両者の間に友情と敬意があったかのような描写でEND。 繰り返すようですが、もし現代のハリウッドでアラブ人テロリストがアメリカ人を誘拐するような物語を作ったら、まちがいなく海兵隊によるマシンガン撃ちまくり皆殺し映画になるでしょう。 911があったとはいえ、ハリウッドもアメリカ人の精神も退化したものよ・・・ |
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