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zoom RSS 【ネタバレ】「さらば愛しき女よ(さよなら、愛しい人)」レイモンド・チャンドラー

<<   作成日時 : 2017/02/19 15:15   >>

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FAREWELL, MY LOVELY (1940)
Raymond Chandler



さらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-2))
早川書房
レイモンド・チャンドラー

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マーロウ最強の敵・・・ じゃなくて最強の依頼人・大鹿マロイ

久々のチャンドラーです。
高校生の時に読んでイマイチな印象だった本作ですが、最近読み直してもやはりイマイチ感がぬぐえません。
チャンドラー最高傑作はこれではなく、やはり「長いお別れ」でしょう。
そして例によって多くの人物が絡んで複雑怪奇で、要約がしんどい・・・
でも一件無関係に見える2つの事件が絡み合ってくるパターン、なれてきましたぞ。
それでは「大鹿マロイ事件」というか「ヴェルマ事件」を時系列を追って整理してみましょう。
最初からネタバレになってますので、ご注意。

1、ことの起こりは、場末のナイトクラブで専属の歌手として歌う女、ヴェルマ・ヴァレント
「必ずセレブになってやる」という強い上昇志向が彼女にあったにちがいない。
大鹿(ムース)マロイと呼ばれる怪力の巨漢が彼女の恋人だったが、上流階級を目指す彼女にとって、こんなバケモノのような男は邪魔な存在。
マロイが銀行に押し入って逃走すると、警察に居場所を通報、サックリ逮捕してもらう。

2、やがてヴェルマはその美貌を利用してサクセス街道を突き進み、有力者の妻となる。
念願のセレブ生活だ。
夫は病身の老人でちんちんも役立たないので、ヴェルマは遠慮なく複数の男と遊び歩く。
だが場末の歌手だった彼女の過去を知る者たちの存在が、どうにも気がかりである。
特にナイトクラブ経営者の未亡人ジェシー
愛人の1人、ジゴロのマリオジェシーの生活の面倒を見させ、それとなく監視下に置く。
ヴェルマの過去をバラしそうになったら始末するために・・・
そしてマリオ自身も彼女の過去を知る男なので、いつかは始末せねば・・・

3、そんなこんなで大鹿マロイが刑期を終え出所。
かつてヴェルマが働いていたナイトクラブを訪ね、別件の調査で付近をウロついていた私立探偵マーロウと出会う。(物語はここから始まる)
今ではすっかり様変わりしたナイトクラブでひと悶着起こし、マロイは正当防衛でクラブ支配人を殺してしまう。(マロイは怪力なので、ちょっと力を入れただけで相手はあっさり死んでしまう)
マロイヴェルマの行方を捜してくれとマーロウに依頼、姿を消す。

4、怪力の巨漢ながら昔の恋人を一途に思いやるマロイの純情さにほだされたか、マーロイヴェルマを探し始め、ジェシーのところまでたどり着く。
今は落ちぶれて下品なババアとなったジェシー、口止めされてるのか、「ヴェルマは死んじまったよ」と証言。
後に大鹿マロイジェシーの家を訪問。
ヴェルマはどこだー」とぶんぶん振り回され、ジェシーは頭が砕かれ死亡。

5、さらにもう1人の依頼人がマーロウの事務所を訪ねてくる。
ジゴロ風の男マリオ・・・ 「女友達が希少なヒスイのネックレスを強盗にホールドアップされて奪われた」とのことで、後に強盗から連絡が入り、大金と引き換えにネックレスを返してもいいと取引を持ちかけてきたそうだ。
「これから取引きに行くので、用心棒として同行してくれー」
不審な点も多いが、報酬に惹かれて人気のない場所へ、マリオと同行するマーロウ
だが、これはマリオの作り話であり、マーロウを殺害せよとヴェルマから指令が出ていたのだ。
頭を殴られ、気絶するマーロウ
意識が戻るとマリオが死体となっていた!
これはヴェルマの犯行であり、マーロウを殺すと思いこませて、実はマリオを始末する計画だったのである。

6、自分の失態でマリオを死なせたと悔やむマーロウ
そこへグレイル夫人と名乗る上流婦人から呼び出しの電話が。
お屋敷に訪ねてみると、その美しい夫人こそがマリオの「女友達」であり、ヒスイのネックレスを盗まれた張本人だった。(作り話続行中)
ネックレスを取り戻すよう依頼する夫人、と同時にマーロウを誘惑してくる。
夫がいてもお構いなしだ。
だがマーロウには、マリオ殺しの犯人を探索するための、もうひとつ手がかりがあった。

7、それはマリオの死体のポケットから回収した、マリオのものではないと思われるシガレットケース。
中にはマリファナ煙草が入っており、1本をナイフで開いてみると、丸めた名刺が出てきた。
神経科医のアムサー・・・ この名刺が何だったのか、最後まで説明がなかったように思いますが、おそらくヴェルマの仕込んだ罠でしょう。
マーロウは必ずこの名刺を発見し、アムサーのクリニックを訪ねる・・・ そしてそこでトラブルに巻き込まれ、手を引くか、あるいは死ぬだろう・・・
そう、アムサーは神経科医を自称しているものの、占い師まがいの怪しい商売をする怪しい男であった。(ヴェルマも患者の1人・・・ というかアムサーヴェルマの愛人の1人だったのでは)
クリニックでマーロウは、屈強なインディアンのボディガードに首を絞められ、朦朧となったところを警官に引き渡される。
この警官も暗黒街のボスに買収された汚職警官たちで、マーロウを怪しい病院へ連行、監禁する。
ここでマーロウは麻薬を打たれてトリップ状態になるが、どうにか脱出。
逃げる途中、病室にかくまわれている大鹿マロイを発見。
マロイは今、暗黒街ボスの庇護のもとにいるようだ。

8、暗黒街ボスの経営するカジノ船に危険を冒して乗りこむマーロウ
ボスと接触し、マロイへの伝言を依頼する。
ヴェルマに会わせてやる」みたいな伝言だったのでしょう。
同時にグレイル夫人を事務所に呼び出す。
マーロウの事務所で、大鹿マロイと女は鉢合わせした。
「お前の声を覚えていたよ」
抱きしめようと歩み寄るマロイの腹に、グレイル夫人は5発の弾を撃ちこみ逃走。
25口径という小さな弾だったが、生きる気力を無くしたマロイは病院で死亡した。

9、それから3か月後、とある街のナイトクラブで歌っている指名手配中のヴェルマを、地元の刑事が発見。
楽屋で近づいてきた刑事を射殺した後、彼女は自らの頭を撃ち抜いた。
「逃げないで裁判を受けていれば、陪審員を泣き落として、あるいは亭主の力で、罪を軽くできたかもしれない」という声もあるが、マーロウヴェルマが実は夫に感謝しており、これ以上夫に迷惑をかけたくないと思ったのだろうと推測。
なぜなら、年老いて病身の夫こそ、彼女を最も深く愛していた人間なのだから・・・
「僕はそう思いたい」という、ドライなようで根はロマンチストなマーロウさんの見立てでした。

「さらば愛しき女よ」という清水俊二先生の邦題がメチャクチャかっこよく、それに比べ毎年ノーベル文学賞を逃してる人「さよなら、愛しい人」という邦題は、なんてダサいんだろう・・・ と思ってましたが、最後のマーロウのご意見を参考にすると、タイトルの「フェアウェル、マイ・ラブリー」とは年老いた夫から夫人への愛を意味するかもしれず、となると「女」という字を使わず「人」を使ったハルキの気持ちもわかるかも。
でもやっぱり「さらば愛しき女よ」だよな。

ロクでもない映画版のネタバレはこちら
http://puripuriouch.at.webry.info/201703/article_12.html



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