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zoom RSS 【ネタバレ】「偽のデュー警部」 ピーター・ラヴゼイ

<<   作成日時 : 2017/08/12 23:16   >>

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THE FALSE INSPECTOR DEW (1982)
Peter Lovesey



偽のデュー警部 (ハヤカワ・ミステリ文庫 91-1)
早川書房
ピーター・ラヴゼイ

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殺人犯と探偵を1人で兼ねる偽のデュー警部

デュー警部って誰よ?」という疑問がまず浮かびますが、ウォルター・デュー警部という実在した人物で、猟奇殺人犯クリッペン博士の逮捕で名高いらしいです。
クリッペン博士とは・・・ GIGAZINさんのニュースから引用させていただきますと、
妻を殺害し死体を切断、自宅地下に埋めたとして1910年にイギリスで死刑となったホメオパシー医師Hawley Harvey Crippen、通称「Dr. Crippen(クリッペン博士)」。カナダへ逃走するために乗った客船で、船長に正体を見破られての「世界初の無線を使った逮捕劇」も有名で、小説や映画のモデルとなったり、ろう人形がマダム・タッソー館に展示されたりもしている有名殺人犯です。

他にもデュー警部は有名な「切り裂きジャック」の捜査も担当しましたが、こちらはホシを上げられず。
そんな警部の偽物が登場する本作、英国推理作家協会賞を受賞した傑作です。
妻の殺人を計画する「殺人犯」である主人公が、同時に名探偵となって別件の殺人事件を推理する、という二重構造。
いわば犯人視点で描いたサスペンスと同時に、本格推理が楽しめるという1作で2度おいしい、お得な作品なのです。
ただね・・・ スロースターターというか、本題に入るまでがダラダラ長く感じる。
事件が起きるのはストーリー全体の半分あたり、偽のデュー警部が捜査に入るころには、残りは1/3くらいしかない。
確かに前半にも重要な伏線が散りばめられていますが、たとえばポピーがスカウトされる場面なんか省略してもいいんじゃない?
ま、読み終わってみれば、「おもしろかったー」と思えるんだけどね。

さて、まずネタバレをまじえつつ、人物の紹介から。

リディア・バラノーフ・・・ 盛りを過ぎたイギリス人女優。ロンドンではいい仕事が来なくなったので、知り合いのチャールズ・チャップリンを訪ねてアメリカに渡り、再起を図ろうとする。とにかく自分勝手でメチャクチャ、わがままな性格。

ウォルター・バラノーフ・・・ 主人公、リディアの夫、歯科医。ほとんどリディアのヒモのような存在だが、ようやく軌道に乗り始めた歯科医院を、リディアの都合(アメリカ行き)のため人手に渡すことに。当然ながら妻が憎い!しかし妻の資金援助で開業できた医院だし、逆らうことはできない。

アルマ・・・ 花屋の店員、ウォルターの歯科医院の患者。恋愛小説を愛読するオールドミスで、ウォルターを恋慕する。ふとしたことからウォルターの悩みを知り、「奥様を殺して、私と出直しましょう!」と提案。ウォルターも次第に乗り気になる。

マージョリー・コーデル・・・ ヨーロッパへ旅行に来ていたアメリカ人富豪女性。リディアよりマシだが、やはり自分勝手でわがまま。豪華客船モーリタニア号で家族そろってアメリカへ帰国予定。

リヴィー・・・ マージョリーの再婚相手。いい人のようだが、その過去には人に言えない秘密が・・・

バーバラ・・・ マージョリーの連れ子、どんくさい女子大生。

ポール・・・ バーバラが彼氏にしたいと狙っている大学生。留学を終え、やはりモーリタニア号でアメリカに帰る。正直者で、悪人から見れば良いカモ。

ジャック・ゴードン・・・ モーリタニア号の船客。実はイカサマ師で、ポールに目をつけ、大金を巻き上げようと狙う。
かつて、モーリタニア号の姉妹船ルシタニア号で働いていた。

キャザリン・マスターズ・・・ モーリタニア号の船客。正体はジャックの妻で、イカサマの相棒。まったく赤の他人のようなフリをして、ポールをカード・ゲームに誘う。かつてはジャックと同じくルシタニア号で働いていた。ドイツ軍の魚雷攻撃でルシタニア号が沈没した時、一等船室で「火事場泥棒」を働いてる男を発見。その場で泥棒に殴られて失神するが、危ないところをジャックに助けられ、無事に脱出。これがきっかけでジャックと結婚に至る。

ポピー・・・ ロンドン下町の女スリ。ジャックにスカウトされ、イカサマのアシスタントとなる。あまり本筋と関係ない人物。たぶん「シェルブールで一部の船客が降りる」という点を留意させるための役回り?

以上、重要な伏線を含んだ人物紹介でした。
では、物語をサクッとまとめてみましょう。

モーリタニア号でアメリカへ渡ろうとするリディアに、「俺は行かない!」とキッパリ拒否、出ていくウォルター
しかしリディアは意に介さず、いてもいなくても同じな夫など置き去りにして、1人でチャップリンのもとへ行くつもりだ。
もし夫もいっしょに行くなら、マネージャーにしてやったのに・・・

一方、ウォルターの企てた計画はこうだ。
偽造パスポートを手に入れ、正体を偽ってモーリタニア号の2等船室に乗船する。
アルマは見送り人のフリをして乗船、密航する。
イギリスのサウサンプトンを出たモーリタニア号は、まずフランスのシェルブールに寄ってからニューヨークを目指す。
シェルブールを出て、じゅうぶんヨーロッパ大陸から離れたあたりでウォルターリディアの船室を訪ね、クロロホルムをかがせ、窓から海へ放り捨てる!
その後アルマリディアの船室に入りこみ、リディア・バラノーフのフリをしてニューヨークまで乗船する。
アメリカに着いたら2人して、新しい生活を始めるのだ!
ちなみにウォルターが使う偽名は「ウォルター・デュー」、引退したあの警部の名だ!(なぜデューの名を使うのか、その理由が弱いんだよなあ。妻殺しを企てている自分をクリッペン博士に見立てているからとかなんとか)

こうして、いろんな人間たちの野望を乗せ、豪華客船は出港する。
ポールにまとわりつくポピーは、「見送りに来て、降りるの忘れちゃったー」とポールの船室でイチャイチャ。
スキをついてポールの財布を盗み、それを相棒のジャックに渡す。
船がシェルブールに着くと、シレッとして下船。(ここで下船したのはポピーだけではない!)
財布がなくなってワタワタするポール、しかしジャック・ゴードンという親切な人が、拾って届けてくれた!
お礼にジャックに一杯ごちそうする。
ここでキャザリンという女性と知り合い、ポールのガールフレンドのバーバラも入れて、4人でホイストというカードゲームをすることに。
結果はポール&バーバラ組の勝利。(最初はカモに勝たせて、船がニューヨークに着いた後で、ホテルなどで偶然の再会を装い、再びゲームをして大金を巻き上げる、という手口)

その夜、予定通りアルマリディアの船室を訪ねると、そこにはリディアの姿はなく、ウォルターが荷物を整理していた。
「それじゃ・・・ 片づいたのね?」「ああ」
これからはアルマリディアとして、この船室で暮らすのだ。
幸いリディアは出港時から引きこもっていたので、船員たちにほとんど顔を見られていない。
だがこの夜、女性が海へ転落するのを見た目撃者がいた。
船は反転、捜索の末、女性の水死体を引き上げる。
この知らせにアルマウォルターも真っ青だ。
しかもデュー警部の名を使ったのが災い、船長から捜査の協力を要請されるウォルター・・・ 大ピンチだ!
だがここで事態が急転、遺体の女性はリディアではなかった!
この事実に安心したウォルター、すっかり警部になりきって、すっとぼけた捜査を開始する。

遺体の身元はキャザリン・マスターズ・・・ そしてジャック・ゴードンが怪しい動きをしたので、容疑者として拘束される。
ジャックは、キャザリンが妻であること、イカサマを企んでいたことなど白状、ウォルターに妻を殺した犯人を見つけてくれーと懇願。
犯罪捜査にまったく無知なうえに不器用なウォルター、何も言わずに黙っていると、相手の方からペラペラしゃべってくれる。
そんな超適当な捜査手法で、ついにニューヨーク到着直前に犯人を割り出した!
マージョリーの夫リヴィー、彼はかつてコソ泥だった。
ルシタニア号で火事場泥棒をしているところをキャザリンに目撃され、そして今、モーリタニア号でバッタリ再会、過去を暴かれてはマズイと、殺害に及んだのである。
あっぱれデュー警部
しかし不倫相手のアルマは、殺人者となったウォルターに恐怖を抱き、警部となったウォルターにさらに恐怖を抱いた挙句、他の船客の男とくっついてしまった!
そのうえウォルターは裁判で証言する必要があるため、アメリカに上陸することは許されず、折り返しモーリタニア号でイギリスに戻ることに。
このままではまずい・・・

船がシェルブールに着いた時、ウォルターはこっそり下船する。
そこで待っていたのは、なんとリディアだった!
実は彼女を殺害しようとウォルターリディアの船室に潜りこんだ時、そこに彼女の姿はなく、もぬけの殻だった。
とりあえずアルマには「計画通り殺した」ことにしておいたが、実はまだ殺人を犯してなかったのだ!
チャップリンが私たちと入れ違いにイギリスに到着したというニュースを聞いて、あわてて荷物も持たずにシェルブールで降りたのよ。アメリカ行ってもチャップリンがいないんじゃ意味ないしね」
夫がけなげに自分を追ってきたと勘違い、すっかり機嫌が良くなるリディア
しばらくフランスで、2人でバカンスといきましょう。
どこに行く?
ここでヨットでの旅行を提案するウォルター、まだ計画をあきらめていないようだ笑



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