【ネタバレ】「長いお別れ(ロング・グッドバイ)」レイモンド・チャンドラー

THE LONG GOODBYE (1954)
Raymond Chandler



長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))
早川書房
レイモンド・チャンドラー

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映画版「ロング・グッドバイ」のネタバレはこちらでーす
http://puripuriouch.at.webry.info/201506/article_10.html


ネタバレを読んでいいのはネタバレされる覚悟のある奴だけだ

ハードボイルド最高傑作は、どうもこの作品らしいですね。
007シリーズの原作者イアン・フレミングレイモンド・チャンドラーに心酔しており、「こういうハードボイルドスパイ小説を書きたいなー」と思って「カジノ・ロワイヤル」を書いてみたそうです。
しかし思うようにいかないので、だんだんと非現実的な活劇路線に走るようになり、それがかえって好評で007は大ヒットしたんだって。
私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするチャンドラーの作品群を読んでみれば、確かに「こういうヒーローを書いてみたい」という気にもなりますな。
もちろん、フレミングだけでなく日本のいろんなコンテンツにも影響を与えてますよな。
例えば「怒ると、どうするんだ? リスとタンゴでも踊るのか?」というセリフ。
どこかで聞いたことあるなー、と思ったら、漫画「コブラ」に出てきた名セリフ「怒るとウサギとダンスでもするのか?」の元ネタだったんだ。
松田優作「探偵物語」「長いお別れ」が元ネタだってWikiに書いてある。
その他、
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」
「ギムレットには早すぎる」

など、元ネタを知らずに引用される有名なセリフが多数登場。


*** ネタバレあらすじ ***

チャンドラーの長編は複数の事件がからみあって、要約するのが難しい。
普通の推理小説のように、ネタバレだけ見ればじゅうぶんというものでもない。
あまりネタバレに意味のない作品だが、とりあえずサクッとまとめてみる。
でも名作だし、買って読みたまえ!
出版不況でハヤカワさんも苦しいので、是非お布施してほしい。

一匹狼の探偵マーロウは、ロスの高級レストランの前で、ロールスロイスから放り出された酔いどれ男テリー・レノックスを拾ってやり、そこから奇妙な友情が始まった。
億万長者の娘を妻にしながら、ホームレスのように酔っ払って街をさまようテリー、どうやら複雑な家庭の事情がありそうだ。
ある夜、テリーは興奮状態でマーロウを訪ねてきた・・・手には拳銃を握って。
「メキシコのチュアナまで送ってくれ」
(翻訳ではチュアナとなってますが、国境の町ティファナ(Tijuana)のことでしょう)
何も聞かず送ってやるマーロウ、戻ると警察が待ち構えていた。
テリー・レノックスはどこだ!?」
彼の妻が自宅で殺されていたのだ・・・
連行され、暴力をともなう過酷な尋問を受けるマーロウ
ここは名場面であり、ハードボイルド探偵のタフな一面が見られるところ。
ついにテリーのことは黙りぬいたまま、釈放されるマーロウ、そして聞かされる衝撃の事実。
テリーはメキシコのホテルで自殺した。
「妻を殺した」と、事件のすべてを告白した手紙を残して・・・

ここから新展開。
マーロウの新たな仕事は、アル中の人気作家ロジャーの面倒を見て、無事に新作小説を書き上げさせること。
ロジャーは深酒するとに暴力を振るったり、怪しげなクリニックに逃げこんだり、とにかく面倒な男だ。
彼は何か深い悩みをかかえており、それがアル中になった原因らしい。
そしてロジャー夫妻は、テリー夫妻のご近所さんでもあった。
ロジャーの家に泊まりこんだマーロウは、ロジャーの美しい妻アイリーン禁断の恋、そしてロジャーの秘密も、じょじょに見えてくる。
彼はテリーの妻不倫関係にあり、酔って暴れて、彼女を殴り殺してしまったらしい。
テリーが犯人ということで事件は解決しているが、ロジャーは良心の呵責からアルコールに溺れ、アル中になってしまったのだ。
そして、とうとう彼は拳銃自殺を遂げる。
が、これで終わりではなく、さらに裏があった・・・

マーロウによって、暴かれた真実。
ロジャーの妻アイリーンには、戦前イギリスで結婚していた別の夫・・・心から愛する夫がいた。
が、そのは戦死、アメリカに渡ったアイリーンは、後にロジャーと再婚するが・・・
戦死したはずの夫は生きていた。
ある日、バッタリと再会したのだ・・・が、もまた、別の女と再婚していた。
その夫こそ、テリー・レノックス
愛する夫を奪った女が憎く、アイリーンテリーの妻を殺したのだ。
(現在の夫ロジャーを撃ち殺したのも彼女)
テリーは、かつての妻をかばうため、自ら罪をかぶってメキシコへ逃走したのだった。

そして、最後のオチ。
怪しいメキシコ人の男が、マーロウを訪ねてくる。
テリーの最期の様子を、マーロウに語って聞かせるためだった。
が、マーロウメキシコ人の正体を見破る。
テリー・レノックス
彼は生きていた・・・戦友だったギャングのボスの助力で、死を偽装していたのだ。
喜びの再会・・・とは、ならなかった。
アイリーンのため罪をかぶった行為は、元妻への愛に満ちた自己犠牲にも見えるが・・・そのために、ロジャーという第2の犠牲者が出てしまった。
マーロウはそれを見過ごすことはできない。
2人の友情も、今日で終わるのだ。
テリーの差し出す礼金を断り、マーロウは別れを告げた。

私はその後、事件に関係があった人間の誰とも会っていない。ただ、警官だけはべつだった。警官にさよならをいう方法はいまだに発見されていない。(訳:清水俊二)



レイモンド・チャンドラー作品ネタバレ一覧
「長いお別れ」
http://puripuriouch.at.webry.info/201208/article_4.html
「高い窓」
http://puripuriouch.at.webry.info/201211/article_2.html
「湖中の女」
http://puripuriouch.at.webry.info/201304/article_5.html
「プレイバック」
http://puripuriouch.at.webry.info/201408/article_4.html
まだ続くよ!



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この記事へのコメント

まる
2015年11月08日 16:20
このあらすじ(ネタバレ)ホントすごいです!
チャンドラー それも「長いお別れ」は
あのセリフも! あのシーンも! と
お勧めしたいシーンがいっぱいあって
どうしても修飾文が長くなってしまい
あらすじの要点がどんどんぼやけるのが通常なのに!
ほんとナイスデス!!
あうち
2015年11月08日 22:02
ありがとございます!(>▽<)
長文を打つのがめんどくさいので、できるだけサックリ短めにしたいと思っております。
残りのチャンドラー作品もぜんぶやりまっせー!(ちょっと時間かかるけど)
ギムレットはうますぎる!

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