【ネタバレ】「宇宙からの色(異次元の色彩)」H・P・ラヴクラフト

THE COLOUR OUT OF SPACE (1927)
Howard Phillips Lovecraft



ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))
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H・P・ラヴクラフト

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★登場する怪物★ 実体をもたない”色”だけの宇宙生物

ラヴクラフト最高傑作というと、この「宇宙からの色」に決まりじゃないかな、どうでしょう?
隕石から現れる宇宙怪物なんて、ウルトラマンその他でおなじみのネタですが、それをここまで詩的に美しく、おぞましく恐ろしく描いた作品は他に知りません。
「意志をもった放射能」とでも呼ぶべきガス状の「色」だけの怪物によって、豊かな農場が季節とともに忌まわしく変化していく描写は、「SFホラー・ポエム」「破滅の歳時記」といった感じの独特の世界です。
モンスターを倒してくれるウルトラマンは存在しません。
ただただ破滅へ向かって狂気が増大していくだけ。
それも日常生活を淡々と積み重ねていくうちに、少しずつ異常な世界が広がっていく不気味なリアリティー。

管理人は中学生の頃、月刊スターログ誌で映画版「異次元の色彩」の紹介を読んで、初めてラヴクラフトのことを知りました。
最近また映画化されたようですが、ネットで調べても旧作の情報は出てきませんねー。
初めてラヴクラフト作品を読んだのも本作だったかもしれない。
何度読み返しても、中学生の時の新鮮な感動?が甦ってきますね。
ただ本作の怪物クトゥルー神話体系には入っていない、独立した存在のようですな。


★衝撃の結末★

アーカムの西に「焼け野」と呼ばれる、植物が一切育たない不毛の地がある。
だが、かつてここはネイハム・ガードナーの所有する肥沃な農園だったのだ・・・ あの隕石が落下するまでは。
不思議な性質をもった隕石は、学者たちも正体を解明できず、しだいに縮んで消えてしまったが、それ以来、ネイハムの地所では異常な現象が次々と起こるのだった。
収穫の時期、リンゴや梨、メロンやトマトが色艶もよく大きく育ったが、食べてみると全ての作物が吐き気を催すような味がした。
冬になると雪の上にしばしば異常な足跡が残っており、兎が異常な跳躍を見せ、マーモットが不気味な表情を見せるようになった。
ネイハムの地所ではどこよりも早く雪が融け、不思議な色の水芭蕉が生えてきて、異臭がした。
家の周りでは木々が早々と芽吹き、風もないのに揺れるようになった。
春になると、異常極まりない色彩の花が咲き乱れ、見たこともないような昆虫が這いずり回る。
夜になると植物は燐光を発し、牛の乳もひどいものになった。
隕石が落ちて1年目、ネイハムの妻発狂、屋根裏部屋に閉じこめられる。
飼っていた馬も発狂し、暴れるのでやむなく射殺。
やがて植物は全て灰色になり、ボロボロに崩れて灰色の粉となった。
井戸の底怪しく動いている光が目撃されるようになる。
鶏や七面鳥の肉が灰色になり、ブタも忌まわしい変化をして、その肉は使い物にならなかった。
子供たちが次々に姿を消しネイハムも精神を蝕まれていく。

近隣に住むアミは遅まきながら警官とともに、ネイハムを救出に乗りこむ。
歩く腐乱死体といった状態のネイハムは、最後の力をふりしぼって、隕石に潜んでいた「色」によって家族が餌食にされたあらましを告げると息絶え、ボロボロに崩れ果てた。
井戸の底から子供たちの遺骨を発見。
「色」とは、他の生物の生気を吸い取る怪物なのか?
その時、アミたち井戸から立ち昇り、宇宙へと帰っていくガス状の「色」を目撃、慄然とする。
アミもまた、灰色に腐り果てて死ぬ可能性を示唆して、物語を終わるのだった。
放射能に汚染された地域の人にとっては、シャレにならない内容です。



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