【ネタバレ】「あの男」H・P・ラヴクラフト

HE (1925)
Howard Phillips Lovecraft



ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)
東京創元社
H・P・ラヴクラフト

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★登場する怪物★ インディアンの亡霊

人生の一時期を不本意ながらニューヨークで過ごしたラヴクラフト
古い街並みを愛する彼にとって、ニューヨークの摩天楼は重苦しく、疲れる街だったようです。
ラヴクラフトの分身である主人公はまず、ハンパない拒否感をもって、この街に対する不快感を述べ、芸術家の集まるグリニッチ・ビレッジ地区に引っ越しても、やはり失望したと語る。
やがて「地図にのってない中庭めぐり」に、一時の心の安らぎを見出す主人公
とある中庭で、「あの男」と出会ってしまいます。
外套とつばの広い帽子に身を包んだ初老の「男」は、いわば「ニューヨークの隠れた昔の街並みの名残を探す散歩マニア」として主人公より先輩であり、よろしければ穴場スポットを紹介しますよ・・・みたいな口ぶりで、主人公を誘う。
少しでも昔の雰囲気を残す街並みに飢えていた主人公は、「男」の後をついて、狭い路地を抜け、煉瓦塀を乗り越え、見知らぬ界隈にズンズン入っていく。
進むほどに、まるで時間をさかのぼるように、街頭も古い形式になっていき・・・
そして、ついにたどり着いた1軒の古い家・・・
その広間に主人公を招きいれた「男」は、家に隠された秘密を語る。

ここはかつてインディアンの聖地であり、を建てた後も、満月の夜にはインディアンたちが庭に侵入、秘密の儀式を行っていた。
神秘学者でもあった邸の主は、インディアンから秘儀を学ぶかわりに、庭への立ち入りを許可。
しかし学び終わると、毒入りラム酒を飲ませて、インディアンを皆殺しにしたらしい。
その邸の主こそ、「男」の先祖なのだ。

★衝撃の結末★

「先祖がインディアンから学び取った、秘術の一部をご覧にいれましょう」
「男」は窓の外に、原野が広がる開拓前のニューヨークの風景、開拓時代のグリニッチ・ビレッジの風景、そして悪夢のような未来のニューヨークの風景を映し出す。
時間を操って、自由に過去や未来の世界を出現させることができるのだ!
インディアンの秘術、スゲー!
だが映し出された未来の風景が、たまたま「満月の晩」だったので、「男」は恐怖に包まれる。
「満月の晩」には、地下室に眠っている虐殺されたインディアンの亡霊が復活するのだ!
恐怖を露わにした「男」の顔は異様に年老いており、実は「男」こそが数百年の歳月を生きた「邸の主」本人であることが判明。
満月の光で、邸の内装も実はボロボロに腐り果てているのがハッキリと。
ついにドアをブチ破って侵入する亡霊は、「男」を拉致して消える。
は崩れ落ち、主人公は命からがら脱出、2度とのあった場所を見つけることはできなかった。
思いもよらぬ恐怖が潜むニューヨークを後にして、主人公は懐かしいニューイングランドに帰っていく。

「黒いピラミッド」が出現する超未来のニューヨークの風景がステキ。
大都会に暮らしていて、古い街並みが恋しくなる気持ち、わかりますなあ。












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