【ネタバレ】「アウトサイダー」H・P・ラヴクラフト

THE OUTSIDER (1921)
Howard Phillips Lovecraft



ラヴクラフト全集 (3) (創元推理文庫 (523‐3))
東京創元社
H・P・ラヴクラフト

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★登場する怪物★ 自分自身

クトゥルウ神話創作以前のラヴクラウトが、怪奇作家エドガー・アラン・ポオの影響を受けて書いたポオっぽい傑作。
ポオの未発表の作品といっても通じるくらいポオっぽい」とダーレスがゆってるそうだ。
たしかに、ただでさえ古臭いラヴクラウトの文体が、ポオっぽくなったせいで、さらに古めかしくなり、なかなかに読みにくいのでござる。

主人公は、廃墟のような広大な城に、1人っきりで住んでいる。
子供の頃の記憶はなく、生まれて以来、自分以外の人間と出会ったことがない。
の外に出ても、無限に続くかのような鬱蒼と茂った森に取り囲まれ、空さえ見えない。
この世界を脱け出して、1度でいいから空を見てみたい・・・ そんな狂おしい気持ちに駆られた主人公は、を突き抜けてそびえる崩れかかった黒い塔を命がけで登ってみる決意を固める。
途中までは磨耗した階段があるが、その先はわずかな壁の突起にしがみついて、決死のクライミング。
だが、いくら登っても、いっこうに太陽の光が射しこむ気配はない。
いくらなんでも、とうにの木々よりも高い地点に達してるはずだが・・・

が、ようやく頭が天井にぶつかり、落とし戸を開けて、展望台あるいは最上階と思われる空間に出てみた。
そこはやはり薄暗く、棚に長方形の木箱(棺)が並ぶ部屋であった。
なぜ最上階に、こんな物が?
見ると鉄格子の扉があり、そこから月光が・・・ あこがれていた月の光が射しこんでいる!
その鉄格子からは、の周りに広がる大樹海が見えるはずだと思っていたが、あまりにも意外な風景に愕然となる。
それは単なる地面・・・
主人公が外に出てみると、前に教会があり、まわりには墓石が立ち並ぶ・・・ 
そこは墓地で、塔の最上階と思ってた部屋は霊廟だった!
(ということは主人公が暮らしていた場所は地下の世界・・・ 死者の世界ということでしょうか?)


★衝撃の結末★

主人公はわけもわからず、だが甦ってくる記憶の痕跡をたよりに外の世界を歩きまわり、ある場所を目指す。
その場所とは、堀に囲まれた寂れた城だった。
今宵、ではが催されており、窓からは灯りと笑い声が漏れてくる。
不思議な懐かしさに包まれながら、主人公が窓からパーティー会場に入りこむと・・・
たちまち悲鳴が上がり、大パニックになって逃げまどう人々。
パーティー会場に1人残される主人公、だが人の気配を感じて振り返ると、そこにはおぞましい人影が・・・
腐敗した吐き気を催すような腐汁したたる、肉も骨もむき出しになった人間のような物が、目の前の戸口に立っている!
人々が逃げまどったのは、この怪物が出現したためか!
主人公は恐怖に襲われ怪物を指さすが、その瞬間、すべての記憶が甦った・・・
指先に触れたのは、鏡の表面だったのだ。

主人公は結局、甦った死者ということでしょうか?
なんとも不思議な物語です。











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