【ネタバレ】ドキュメンタリー「エヴリシング・オア・ナッシング」

EVERYTHING OR NOTHING (2012)







全てか無か、知られざる007誕生の物語

同じタイトルのゲームもあるようですが、こちらは映画「007シリーズ」を作った人々の実話。
ファンなら知ってる内容も多いですが、サクッとまとめてみます。

第2次大戦中、英国海軍情報部に勤務したイアン・フレミング、戦後に新聞記者を経て作家となり、自身の経験を踏まえたスパイ小説「カジノ・ロワイヤル」に始まる007シリーズを生み出した・・・ というのは、ご存知の通り。
ケネディ大統領も愛読者だったこのシリーズを、映画化する夢を抱いた興業師のハリー・サルツマン、資金がないので映画プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリと組んで、「イオン・プロ」という会社を立ち上げ、当時はドキュン青年だったショーン・コネリージェームズ・ボンド役に抜擢、「ドクター・ノオ」に始まる映画「007シリーズ」の製作を開始した・・・ のも、ご存知ですよね?
サルツマンブロッコリが会社を立ち上げるにあたって、「すべてか無か(EVERYTHING OR NOTHING)」をモットーとし、このフレーズの頭文字を取った「EON(イオン・・・ ジャスコとは関係ないよ!)」を社名としたのは知ってる?
ブロッコリの伯父がリトアニア原産のブロッコリという野菜を初めてアメリカに持ちこんだのは知ってる?
東急リバブルが不動産仲介の会社だって知ってる?
最後は別に知らなくていいですが・・・

前置きはここまで、ここから本題。
さて、小説映画も順調だった007シリーズに、思わぬ罠が待ち受けていた。
まだイオン・プロが設立される前、フレミングが新作「サンダーボール作戦」を執筆するに当たって、友人たちを集めて酒を飲みながら、アイデアを出し合ってもらったそうな。
うんと派手な話にして、映画会社に売りこもうという計画だったが、ここで友人の1人、水中スポーツに詳しいケヴィン・マクローリーという男が、ボンドの敵として国際犯罪組織スペクターとその首領ブロフェルドのアイデアを出したという。
それまで原作のボンドの敵は、ソ連の諜報機関スメルシュがメインだったのだ。
しかし後に、友人たちにはまったく無断でイオン・プロ製作の映画シリーズが始まると、第1作目の「ドクター・ノオ」から、いきなりスペクターが登場、ケヴィン・マクローリーはムッとした。
そして映画第4作「サンダーボール作戦」に決定すると、ついにマクローリーフレミングを提訴。
大モメにモメた末、マクローリーを映画の「製作者」としてクレジットすることで決着、映画は無事に公開されたものの、この起訴騒ぎでただでさえ心臓の弱かったフレミングの寿命は一気に縮まり、帰らぬ人となってしまった!

その後もマクローリーは、ヒルのようにイオン・プロに食いついて放さず、起訴しまくって攻め立てた。
「消されたライセンス」から「ゴールデン・アイ」まで6年も開いてしまったのも、マクローリーとの裁判沙汰が原因。
故人となったアルバートに代わって娘のバーバラ・ブロッコリが出演、いかにマクローリーが迷惑をかけてくれたか、涙ながらに訴えるのだが、こればかりは双方の言い分を聞いてみないとね・・・
マクローリーは独自に「サンダーボール作戦」のリメイク作「ネバーセイ・ネバーアゲイン」を製作、本家シリーズの第13作「オクトパシー」にぶつけてきたこともある。
しかも「ネバネバ」には初代ボンドショーン・コネリーがカムバック。
ボンド役でメジャーになったのに、ボンドに対して複雑な感情を抱くコネリーブロッコリと不仲になって第7作「ダイヤモンドは永遠に」で降板。
それにしても、いくらブロッコリと仲が悪いからといって、マクローリーと組んでパチモン映画に主演するとは・・・ イオン・プロに対して、これ以上の裏切りはない。
3代目ボンドロジャー・ムーアは、コネリーこそベストのボンドだと認めつつも、この裏切りが許せず、スタッフともども「オクトパシー」を最高の作品とするべく奮闘。
「ネバネバ」VS「オクトパシー」、その結果は皆さまの目で確かめてください。
日本では「ネバネバ」の公開がズレこんだため、第14作「美しき獲物たち」と近い公開となったが、管理人の感想としては「オクト」>>「ネバネバ」>>「獲物たち」といった感じ。
このブログでは、「ネバネバ」本家シリーズと同等に扱ってますが、なんかイオン・プロに申し訳ない気もしますな。
でもファンにとっては、製作者の事情なんか関係ないしね!
「ネバネバ」にも、いい部分はあるし。

このように、かなりの尺を割いてマクローリーの悪行を責める内容になってますが、他には以下のエピソードが記憶に残りました。

「女王陛下の007」に主演した2代目ボンドジョージ・レーゼンビーは左翼の友人にそそのかされて髭を伸ばし、ヒッピーのようなスタイルをしてブロッコリの前に現れる。
「体制側の人間」であるボンドを侮辱、共産主義を支持したため、1作のみでお払い箱になった。
ボンドがアカだなんて、許されませんからね・・・
もちろん今ではレーゼンビーも正気に戻り、世界的スターへの道を自ら捨ててしまったことを激しく後悔している。

4代目ボンドティモシー・ダルトンは、ダイアナ妃もお気に入りの「もっともリアルなボンド」だったにも関わらず、観客からは不評。
結果として2作のみ出演、「消されたライセンス」で降板となった。
3作目の出演があれば、自分のスタイルのボンドを確立できたのに・・・」と悔やむことしきり。
ダルトン、非常にいいボンドだったと思います。
「消された」脚本がひどすぎて失敗したのに、ダルトンが責任を押しつけられた感じ。

5代目ボンドピアース・ブロスナンは、本来なら4代目ボンドに決まるはずだったのに、「探偵レミントン・スティール」の契約の関係でキャンセルとなった。
ダルトン4代目ボンドとなった「リビング・デイライツ」の広告を見ながら、「本当なら俺がボンドだったのに」と、歯軋りしたという。
ブロスナン第17作「ゴールデン・アイ」から4作ボンド役を務めたが、最後はたった1本の電話で契約を解除され、お払い箱になった・・・ と、恨みがましく語っていました。

6代目に抜擢されたダニエル・クレイグは金髪だし、もっともボンドのイメージからかけ離れたボンド役者ということで、映画公開までは非難が殺到したらしい。
しかし第21作「カジノ・ロワイヤル」が公開されると、非難はピタリと止んだ。
ボンド役者になる前の、七三分けのダニエルを見たら、管理人でも「絶対ありえん」と思うわ。

さて、これからもまだまだ続くと思われる007シリーズ
人類滅亡の時まで、ジェームズ・ボンド・ウィル・リターン!












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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2018年03月31日 10:03
ロジャー、ムーアは生前、「007はゲイや女性はダメだ!」って発言してましたね。イギリス等ではゲイや女性の007がいても良いのでは?という声もあったようです。
ただ、「ゲイを差別してる訳ではない、嫌いって訳ではない、ストレートに男性でなければ本来のキャラクターとは言えない。イアン、フレミングはゲイや女性のキャラクターのボンドを書いたわけじゃないはずだ!」と語ってたようです。
あうち
2018年03月31日 14:40
あ、そのニュース見ました!
他にも「黒人俳優をボンドに」という意見もあったようです。
私はロジャーに200%賛成です。
女性版ボンドもいいけど、それは別のキャラクターを作ればいいのに・・・
織田信長を女の子にした織田信奈みたいに。
ゲイはまったくの問題外。
でも女性007でレズっていうのはアリかもしれない笑

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