【ネタバレ】「何かが道をやってくる」レイ・ブラッドベリ

SOMETHING WICKED THIS WAY COMES (1962)
Ray Bradbury



何かが道をやってくる (創元SF文庫)
東京創元社
レイ・ブラッドベリ

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恐怖とノスタルジーがいっぱいの大人ファンタジー

管理人が子供のころ、親の言うこときかないと「サーカスに売り飛ばすぞ!」なんて脅されたものですが、けっこう本気で「サーカスは人さらい」なんて信じてましたよね(笑
そんな子供時代の恐怖が蘇るような、SF界の抒情詩人ブラッドベリの名作ファンタジー「何かが道をやってくる」を未読の人に紹介しますぞ。
ストーリーを要約すると「サーカスは人さらい」で完結してしまうのですが(笑)、ブラッドベリならではの美しい文章(時々イラッとしますが)で怖いシーンを交えつつ、独特の雰囲気で不思議な物語が進みます。
読後になんとも言えない余韻が漂い、これはもうぜひ実際に本を手に取ってジックリ読むべき名作でして、あらすじと結末だけ知っても、あまり意味ない類の作品。
こういう本に出合うと、小説はやはり紙の本で読むべきであって、電子書籍なんてクソくらえって気持ちになりますな。

一応ネタバレしますが、要約では本書の魅力がまったく伝わらないことをご了承ください。
アメリカの田舎町に暮らす2人の少年、ジムウィル
秋の香りのするある夜、不思議な気配を感じてベッドを飛び出した2人、こっそり家を抜け出し、町はずれの丘に突っ走ると、真夜中なのに怪しい汽車怪しい気球が到着、怪しい大テントを設営しているではないか!
カーニバル団が来た!」とはじめは喜ぶ2人だったが、あまりに怪しすぎるので疑いを持ち始める。(特に「鏡の迷路」が恐ろしい!)

だが翌日から営業を始めた、この「クガー&ダーク魔術団」は昼間に見るとまったく普通のカーニバル団で、普通に賑わっている。
2人の担任のフォレー先生「鏡の迷路」で恐ろしい目に会った以外は・・・ (この迷路、無数にある鏡に「自分の未来の姿」が映り出されるのだ。10年後や20年後の自分、年老いてヨボヨボになった自分まで・・・)

疑いを捨てきれない2人は、またも夜中に抜け出してテントを偵察。
そこで魔術団の共同経営者の1人ミスター・クガーが、逆回転する回転木馬に乗って1年ずつ若返っていき、ついには2人と同年代の少年へと変身するショッキングな場面を目撃。
しかもこの少年クガーフォレー先生の甥っ子に成り済まして、何か企んでいる!
それを先生に警告する2人だが、もちろん信じてもらえない。
逆に魔術団の首領、全身に「生きた刺青」を施したミスター・ダークに目をつけられるハメに。

秘密を知った2人の少年を探して、町を徘徊するカーニバル団奇形人間たち。
必死に逃げる2人、図書館の館長を務めるウィルの父が2人の話を信じて、かくまってくれる。
父もまた、カーニバル団に邪悪な何かを感じていたのだ。
クガー&ダーク魔術団は、興行先で人をさらっては、骸骨人間小人といった奇形人間に改造、カーニバルの見世物としてこき使うという悪魔のごとき一座。
しかも首領ミスター・ダーク「逆回転する回転木馬」で若返りを繰り返し、数百年以上前から、この邪悪な所業を続けているのだ!

図書館が襲撃され父親ダークに指の骨を折られ、少年2人が捕えられたり。
クガー回転木馬に乗ってる時にウィルが操作盤を破壊、暴走して高速で順回転する木馬のせいでクガー100歳以上のヨボヨボ老人に変り果てたり。(最後はミイラ状になり、灰となって散る)
ファンタジーなのに、なかなかハードな攻防戦が展開。
クライマックス、それまでまったくの役立たずだったウィルの父が、魔術団の弱点を発見。
それは「人間の笑顔」・・・ 「人間の恐怖」をエネルギー源とする魔術団にとって、笑顔より恐ろしいものはないのだ。
スマイル(^▽^)を先端に刻んだ弾丸をライフルにこめ、反撃開始のウィル父
首領ダークが修復した回転木馬で少年に若返り、警察の追及をかわそうとするが、ウィル父に慈愛に満ちたハグをされ、息絶えてしまう。
首領を失った奇形人間たちは四散。(その中には、甘い言葉に誘い出されて奇形人間になったフォリー先生も)
最後は「若返りマシン」である回転木馬に未練を感じつつも、これを使い始めたら自分らがクガー&ダークになってしまう・・・ ということで、結局ブチ壊してEND。

あらすじだけ見ると、けっこう殺伐とした感じでビックリ(笑
父はよくがんばった!











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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2019年04月09日 01:30
レイ、ブラッドベリは生前、電子書籍化に大反対してたそうですね。
世界中の活字離れや、書籍の規制などに自身の代表作「華氏461」等を引き合いに出して警告してたとか…
実際に電子書籍化は広まっているし、確かに現実味ありそうな感じですね。肝心の「華氏461」も映画版も読んだり観たこと無いですが、近未来ものと言えばこれってよくネタバレで紹介されてました…
あうち
2019年04月09日 13:32
そうなんですか。ブラッドベリはガチSFというよりファンタジーよりなので本の魔力みたいなものを愛していたのだと思います・・・気持ちはわかりますね。
でも「華氏461」を引き合いに出すのは的外れな感じ。
だって紙の本だろうと電子書籍だろうと規制の危険性は同じですしね。
「華氏461」の映画はネタバレ済ですが、原作は読む気が起きない・・・

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