【ネタバレ】「山荘綺談(丘の屋敷)」 シャーリイ・ジャクスン

THE HAUNTING OF HILL HOUSE (1959)
SHIRLEY JACKSON


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古典的な「幽霊屋敷」を現代によみがえらせた名作、アラヤダ怖い><;

まだまだ暑いですねー(^^;)
真夏のホラー祭り第1弾、幽霊屋敷ものの名作「山荘綺談」をご紹介しますぞ!
ハヤカワでは絶版になりましたが(名作なのに)、創元さんから「丘の屋敷」という邦題で発売中。
名作を簡単に絶版にしない創元さんの態度をハヤカワも見習ってほしい!


丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)
東京創元社
シャーリイ・ジャクスン

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でも創元さんも、きっと経営は火の車だろうね・・・
「ニャル子さん」によるラヴクラフト・ブームも終息しちゃったしねー。
もっと創元をプッシュせにゃならんと思うのですが、カバーがダサいのが弱点なんだよね。
ハヤカワはカバーを見ただけで買いたくなるセンスの良さだけど。

ところで管理人は昼間ならどんなに怖い映画や物語や写真にも、一切ビビることはないのですが、夜中になるとたとえ「一杯のかけそば」のような感動話であっても怖い・・・ 話の内容に関係なく、物語というもの自体が怖い・・・ 死者が語りかけてくるようで・・・
なので今回のネタバレも非常に事務的に、業務連絡のようにサクサクと済ませたいと思いまする。


イングランドの片田舎に、悪名高い幽霊屋敷「山荘(ヒルハウス)」がある・・・
心霊研究科のモンタギュー博士は自分を含め4人の男女をこの屋敷に集め、心霊現象の謎を解明しようとしていた。
博士以外の3人のメンバーとは、
1、つい最近亡くなった母親の介護を長年務めていた主人公エリーナー
もう長いこと家から離れたことがなく、自意識過剰な女性。
ポルターガイスト現象の経験があったため心霊研究家の記録に残り、博士が見出した。
夜中に薬を求めて叫ぶ母の声が聞こえずに母を死なせてしまい、心の奥底で罪の意識となっている。(これ伏線ね)
2、カードの内容を当てるテスト(ESPカードってやつ)で好成績を残した、明るい女性セオドラ
以上の女性2人は霊能力の素質あり、という理由でメンバーに選ばれている。
3、屋敷の所有者の一族である、チャラい青年ルーク
なかなか度胸があり、いずれ自分が相続する屋敷について知りたがっている。

このように4人のチーム幽霊屋敷の調査に乗り出すというストーリー、後のリチャード・マシスン 「地獄の家(ヘルハウス)」 に影響を与えましたね。
あちらは物理学者や霊媒師といった「プロ」のチームでしたが。

屋敷に到着し、迷路のような空間を探検する4人。
わざと人を惑わすような設計になっており、ドアなどもわずかに傾いて取り付けられているため閉めたはずなのに勝手に開いたりする。
初日はあくまでも科学的な態度を失わず、親交を深めて仲良しになっていくメンバーたちだが・・・
やがて、科学ではどうにもならない恐るべき現象が次々と発生。
怖いので書きたくない、詳細は自分で読んでね!><
しかしこのモンタギュー博士というのが恐ろしく無能、やることといったら温度を測ったり長さを測ったり、本気で謎を解明する気あるの?

後半、頼もしい援軍が2人、屋敷にやってくる。
博士の奥さんと、その友人の校長先生
奥さんは自称「霊能者」でゴリ押しババア、校長は心霊マニアで、2人して博士の科学的研究をかき回しまくるのが笑えるが、この2人によって重要な事実が明るみになるビックリ展開。
赤い血で真っ赤に塗りたくられたはずのセオドラの部屋は、奥さんが入ってみると何の異常もなく、元のまま。
チーム4名には恐ろしい物音が聞こえるのに、別室で寝ていた奥さんには何も聞こえない。
超常現象は実際に起きてる物理現象ではなく、エリーナーの周辺にいたものだけが体験する白日夢のような主観的現象だったのだ。
そして、ほぼすべての現象はエリーナーを中心に起きている!
どうやらエリーナーの心の奥底に潜む黒いエネルギーが屋敷によって増幅され、超常現象として発現しているらしい。
エリ-ナーと深い関わりを持たない奥さんは、その暗黒エネルギーに取り込まれずにいる。(そのうえ彼女にはエリーナーに負けない強烈な自我がある)

死んだ母と会話したり、徐々に屋敷に精神を侵食されていくエリーナー
どこにも行く場所のない自分にとって、この屋敷こそ本当の居場所なのだ・・・
なんか「シャイニング」みたいですなー。
ついには霊に導かれ、崩れかけた塔に登って皆に迷惑をかけてしまうエリーナー
これ以上この屋敷に彼女が留まるのは危険だと判断した博士は、強引にエリーナーを送りだし、帰宅させる。
必ず屋敷に帰ってやると誓うエリーナーは車のアクセルを踏んで猛スピードで木に激突、死亡

博士たちはなんの成果もないまま屋敷を後にし、解散。
だがエリーナーは霊となって「山荘」に戻ったのかも・・・

超常現象を人間の深層心理と結びつけた解釈、鋭いと思います。
「地獄の家」では霊を純粋な物理現象として描いてましたが、アレはちがうなー。
マシスンは鋭くないなー。











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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2017年11月02日 22:15
この小説2度映画化されてるという情報は昔売ってた「初めてのホラー」という本で知りました。
私は2度目の映画化の「ホーンティング」しか観てないです。
観たきっかけはジェリー、ゴールドスミスが音楽やってるから観てみたい♪っていう気持ちでしたが( ・∇・)良いところは…ジェリー、ゴールドスミスの音楽以外無かったなあ…
あうち
2017年11月02日 22:30
私はどちらの映画化も見てないです・・・
原作はけっこうおもしろいのですが、映画はダメでしたか!
幽霊屋敷ものはハズレが多いかもしれない。
ヘルハウスもハズレだったなあ
綾小路清隆(仮名)
2017年11月02日 23:46
初めてのホラー映画っていう本によると、最初の映画化である「たたり」はロバート、ワイズ監督の映画で、何でも幽霊が出てこない幽霊映画ですが、それでも本作はホラー映画の傑作の一つだそうですね。
ロバート、ワイズ監督の映画では「スタートレック」と「地球の静止する日」しか観てないです…
あうち
2017年11月03日 13:47
あ、「地球の静止する日」は見ました!
たしか白黒だったような記憶が・・・
「スタートレック」の第1作目も音楽はジェリーゴールドスミスさんで名曲ですよね。
それにしても原作は「たたり」とか関係ないのに笑

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