【ネタバレ】「赤い収穫(血の収穫)」ダシール・ハメット

RED HARVEST (1929)
Dashiell Hammett


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赤く熟した暴力の街、収穫の時は来た!

当ブログでは「マルタの鷹」に次ぐ2冊目のダシール・ハメット
ホームズ以来の名探偵の歴史に革命を起こし、タフで非情なハードボイルド探偵を生み出したハメット、後発の作品に多大な影響を与えました。
本作も黒澤明監督の「用心棒」の元ネタになったと言われてます。
主人公の「私」は、最後まで名前が明かされない名無し。(解説本などでは「コンティネンタル・オプ(コンティネンタル探偵社の探偵)」と通称されている)
私が派遣された鉱山町パースンヴィルは「ポイズンヴィル(毒の街)」と仇名されるほど、悪党どもと不正が渦巻くところだ。

ここでまず、ポイズンヴィルの顔役たちを紹介しよう。
エリヒュー・ウィルスンは鉱山を開いた鉱山王で、街の帝王だが、今は寝たきりの老人。
ホイスパーという若いギャンブラーは頭が切れ、顔役の1人。
ピート、密造酒の売人、顔役の1人。
金貸しのヤード、顔役の1人。(殺された後は子分のリノが後釜に座る)
ヌーナン、警察署長だが顔役の1人。
エリヒュー以外の4人がたがいに対立しながらも均衡を保ち、街を支配している。
エリヒューは顔役どもを片づけて、再び街を支配したいが、自力ではとても無理な話。
このように登場人物が多く、「用心棒」に比べかなり複雑な話、まとめるのはシンドイぞ。

コンティネンタル探偵社に依頼したのはエリヒューの息子ドナルド、地元の新聞の発行人だ。
が、私に会って依頼内容を話す前に、射殺されてしまった!
犯人は4人の顔役の誰かだろうか?
調査を始める私、だが老エリヒューは犯人探しに加えて、街の悪党どもをきれいサッパリ掃除するよう依頼、1万ドルの小切手を渡す。

物語の始めから1/4くらいのあたりで、早くも犯人逮捕。
ドナルド殺害の真犯人は、彼に女を寝取られたと思いこんだ銀行員オルベリーであり、顔役は関係なかった。
犯人捕まったけど、1万ドルもらったし、街の大掃除をするでー。
殺人事件のきっかけとなった女ダイナは、もともと顔役ホイスパーの女であり、街の事情に詳しい、詳しすぎる。
金目当てながら私に協力的なダイナ、彼女がくれる情報を元に、顔役たちの対立を煽り、自滅へと導いていく。
私がちょっときっかけを作っただけで、街は殺し合いの坩堝と化し、登場人物が次々死んでいく。
ダイナも殺され、その嫌疑が私にかけられ、ちょっとだけピンチになるが、捕まってリンチにかけられたりはしない。
ホイスパーピートヤードリノヌーナンも殺され、最後には街は無政府状態に。
老エリヒューに州知事に連絡して戒厳令を敷いてもらうよう勧告、私は街をズラかる。(エリヒューから「ヌーナンのかわりに警察署長になれ」とオファーされるが、「くそったれ」と断る)
安全なところに避難してから、上司に報告書を送るが、
「おやじ(上司)をだますことはできなかった。私はこってりしぼられた。(小鷹信光:訳)」

という最後のオチが悪ガキみたいで笑えます。
「用心棒」とはストーリーがかなりちがうし、あまり元ネタという印象は受けないな。



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