【ネタバレ】 「鋼鉄都市」 アイザック・アシモフ

THE CAVES OF STEEL (1953)
Isaac Asimov



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宇宙人が被害者でロボットが容疑者て、どゆこと?

ロボット・テーマSFの偉大なる先駆者アシモフ、当ブログ初登場ですね、だぶん。
ホンダのロボット「あしも」はアシモフから取った名だし、ルンバを作ってる企業「アイ・ロボット」の社名はアシモフ「わたしはロボット」からだし、とにかくロボットといえばアシモフアシモフといえばロボットでカクカクしたイメージがあります。(アシモフ自身は人間です)
そのアシモフを代表するロボットSF、しかもミステリー!な名作「鋼鉄都市」をやっと読むことができました。
SF作家であると同時にミステリー作家、さらに科学読み物の著作も多いアシモフならでは、SFとしても一流でミステリーとしても本格的、さらに古い作品なのに先進的な科学ビジョンでも唸らされてしまう、読み応えのある作品でした。
靴屋で「ロボットが接客するなんて客に失礼!」とオバサンがクレームつける場面なんか、明日にでも実現しても不思議じゃない。

まず殺人事件の被害者が宇宙人というところで、「うわーおもしろそう!」と思ってしまいますが、宇宙人といっても、遠い昔に宇宙へ進出した人類が遠い星に植民地を築いた、その子孫・・・ というわけで、要するに人類なのです。
先に世界観をなぞっておきましょう。
今からだいぶ先の未来、人類は巨大なドーム状の「鋼鉄都市」を作り上げて、そこに引きこもり、外界である自然とは隔絶して生きてきた。
ニートが家から出るのが怖いのと同じで、人類も都市の外に出るのが怖い。
じゃっかんの農場が都市の外にあるが、そこで働くのはロボットだけ。
そう、近年になって高性能化してきたロボットは、人間から仕事を奪う存在として、特に労働者階級から疎まれるようになり、組織的な「反ロボット運動」の波が広がりつつあった。(この辺りは現実でもまもなく・・・)
そこへ宇宙からやって来た「宇宙人」が人類と交渉を求め、鋼鉄都市のひとつニューヨーク・シティと隣り合って「宇宙人都市」を建設する。(両方の都市は通路で結ばれている)
同じ地球人の子孫ながら、はるかに進んだ科学力を持つ宇宙人、地球人にはもっとオープンになって宇宙に進出してもらいたいし、さらにロボットを憎むのではなく共存してもらいたい、そんな価値観を地球人に押しつけてくる。
なんだか「黒船来航」みたいだし、宇宙人都市は長崎の出島を思い起こさせます。

さてさて・・・ ここから物語の本番ですが、ニューヨーク市警察本部長にして宇宙人との交渉役員のひとりであるエンダービイ宇宙人都市を訪れた際、殺人事件に巻きこまれてしまった!
ガイシャは宇宙人側の重要人物サートン博士、熱線銃で撃たれて死亡。(凶器は見つからない)
博士の死体を発見したエンダービイは当然容疑者となるが、2つの事実から疑惑は晴れる。
1、ニューヨーク・シティから通路を通って宇宙人都市に入る際には厳重なボディチェックを受けるので、熱線銃を持ちこむのは不可能。
実は宇宙人都市は地球人の都市よりオープンな構造になっていて、外部の「自然」に開いた出口がたくさんあるのだが、地球人が都市の外に出て「自然」を横切って宇宙人都市に入ることは、その引きこもり根性から、とてもできない相談。
ロボットなら「自然」の中を歩いて宇宙人都市に入ることも可能だが、ロボットは「ロボット三原則」により人間(宇宙人含む)を傷つけることができない。
2、宇宙人エンダービイを尋問した際、ひそかに脳をスキャンして精神構造を解析したところ、「彼には人殺しはできない」という結果が出た。

晴れて無罪となったエンダービイ
犯人は恐らく「反宇宙人・反ロボット」の地下組織のメンバーだ。
宇宙人に対するさらなる破壊活動が懸念されるため、エンダービイは部下の敏腕刑事ベイリに捜査を命じる。
宇宙人側の要求で、ダニールという人物が彼のパートナーとなり、活動をともにすることに。
このダニールというのが・・・ 実は人間そっくりのロボットだった!(地球人の科学レベルでは製造不能)
しかもサートン博士が製作した、博士にそっくりなロボットなのだ。

だがベイリ自身もロボットが好きでないため、人間そっくりのダニールが不快でたまらない。
それにいくら地下組織の人間でも、地球人が都市から離れて「自然」の中を歩いていけるとは思えない・・・
そこで、このように推理した。
ダニールはロボットではなく人間、サートン博士その人なのだ!
殺されたサートン博士こそ博士そっくりのロボット、つまりダニールなのだ!
この殺人事件は宇宙人側の自作自演・・・
宇宙人が地球人に殺された、これを口実に地球に対し武力を行使、地球を支配しようとする陰謀なのだ!
しかしダニールに「皮」の下のメカを見せられ、あっさり論破。

仕方なく地下組織の捜索を始めるが、組織のメンバーたちに追いかけられたり、ベイリの妻も組織のメンバーだったり、いろいろ大変な目にあう。
さらにダニールが人間のように食事をした後、「胃袋」を取り出して中の食物を捨ててる(消化できないので)のを見て、げろげろ~ん。
だが、ここで第2の推理が閃いた!
サ-トン博士を殺したのはダニールだ!
殺した後、熱線銃を胃袋にしまいこんだので凶器が見つからなかった!
だがロボットの専門家が「それは不可能。「ロボット三原則」は絶対なので、ダニールに人間は殺せない」と断言、この推理もボツ。
2度も容疑者にされたダニールだが、感情がないので怒らない。

それでも事件の核心に迫りつつあるベイリ
が、警察の助手ロボット破壊の罪を着せられ、捜査担当から外されたばかりか、降格の危機も迫る。
そんな中、ついにエンダービイの前で、真相を暴いた!
三度目の正直、今度こそ大当たりだ!
真犯人はやっぱりエンダービイだ!
あなたは警察の助手ロボットに都市の外から(「自然」の中を歩かせて)熱線銃を運ばせ、殺人はあなたが行い、その後に同じロボットが武器を持ち去った。(その時の記憶がロボットに残ってるので、後にそのロボットを破壊)
「しかし彼の精神構造では殺人はできないんですよ」とダニールが反論する。
「ぼくも本部長に殺人ができるとは思わないし、実際彼は人を殺すつもりはなかったんだ」
そう、エンダービイが狙っていたのはサートン博士ではなくダニールだったのだ!
実は反ロボット地下組織の幹部だったエンダービイ人間そっくりのロボットを破壊しようとしたが、運悪く眼鏡を落としてしまったため、ダニールそっくりのサートン博士をまちがって撃ってしまったのだ・・・
泣きながら罪を認めるエンダービイ
だが、今後ロボットと共存する文化の推進や地球人の宇宙進出などに協力するという条件で宇宙人側が不問に付したため、エンダービイは逮捕されずに済んだ。
ベイリも、警官として優秀な働きを見せたダニールに対し尊敬の気持ちを抱き、自分の息子がダニールとともに宇宙に進出するのも良いかもしれないと思うのであった。

最後にアシモフが考案したロボット三原則を、大ざっぱにまとめておきましょう。
これからの時代、必要になるかもしれないからね・・・
その1、ロボットは人間を傷つけてはいかん。また、人間が自殺するのを見過ごしてもいかん。
その2、ロボットは人間の命令をきけ。ただし人間を傷つけるような命令はきくな。
その3、ロボットは自分の身を守れ。ただし、その結果人間を傷つけてはいかん。

ロボットや人工知能との共存の時代が、いよいよこれから現実にやってきますが、果たしてどうなりますやら・・・



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