【ネタバレ】 「レーン最後の事件」エラリイ・クイーン

DRURY LANE'S LAST CASE (1933)
Ellery Queen



レーン最後の事件 (角川文庫)
KADOKAWA
2011-09-23
エラリー・クイーン

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レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)
東京創元社
エラリー・クイーン

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さらばドルリイ・レーン! XYZに次ぐオメガ(最後)の悲劇

クイーン「悲劇」シリーズ、ようやくコンプリートです。
優れたシェークスピア俳優でありながら聴力を失い、難事件専門のアマチュア探偵へと転身したドルリイ・レーン、この魅力的キャラクターが活躍する最後の事件。
今回は事件そのものも、シェークスピアをめぐる謎が大きな中心となっています。
そして最後に待ち受けるレーンの死・・・
が、単に名探偵の死だけではなく、もうひとつの衝撃が待っているのです。

前作「Zの悲劇」の時点ですでに高齢になっていたレーン、本作ではかなり体も弱っており(そのくせ、あんなことできちゃうのはちょっと不自然?)、死期が近づいてると感じさせる。
警察を辞めて私立探偵となったサム(元)警視、その娘で前作のヒロインだった美女探偵ペイシェンスの父娘探偵コンビは健在。
新キャラとしてシェークスピアを研究する青年ゴードンが登場、ペイシェンスと恋仲になりますが、どうも何か秘密の研究をしてるようで怪しい。
こいつが犯人かなー?と思ったら、ぜんぜんちがいました。

では次々と起こる不思議な事件を、ネタバレしつつサクサクと見ていきましょう。
まず、サムの事務所に現れる怪しい男。(名乗らない)
何が怪しいかというと、すっとんきょうな色のカラフルな付け髭。
封筒をサムに渡し、厳重に預かってくれという依頼。
「私はある謎を追っているが、万が一の場合に備えて、この封筒を預かってほしい。中には「謎」を追う「手がかり」を記したメモが入っている。これから毎月20日に電話をかけますが、もし私から連絡がなかった時はドルリイ・レーン氏立ち合いの元、この封筒を開けてほしい」
そして数か月後、ついに男からの連絡は途絶えた!
レーンに来てもらい、封筒の中身を取り出すサム
中身は1枚の便せん、そこには「3HSwM」と記してある・・・
あ、これは逆さに読んで「WmSHE」だな、たぶんウィリアム・シェークスピアだな、と一発で気づきましたよ笑

さ、ここまでのネタバレ。
怪しい男の正体は、ある貴重なシェークスピアの稀覯本を探す自称エールズ博士という人物。
件の稀覯本にはシェークスピアの驚くべき秘密が隠されているのだが・・・
「3HSwM」はやはり上下逆さに見て「WmSHE」であり、シェークスピアの未確認の署名。
万が一自分の身に何かあった時、シェークスピアに詳しいレーンにこれを見せれば、後をたどってくれるかもしれない・・・ と考え、これをサムに預けた。
男は生まれつき色覚に障害があり、付け髭で変装したつもりがうっかりパーティー用のカラフルなヒゲをつけてしまったのだ。
また便箋のレターヘッドが紙と同系色で見えなかったため、上下を間違えてしまった・・・ というオチ。
で、男の身に何が起こったかというと、同じ稀覯本を探し求める「ライバル」によって、監禁されてしまっていたのである。

さて、これと並行して、もうひとつの事件。
ニューヨークのブリタニック博物館はレーンも後援者を務める、シェークスピアの古書などを展示する、こじんまりとした博物館。
ただいま改装工事中で閉館してるが、ある日、国語教師の団体が特別許可を得て見学に。
だがこの団体、もともと17名のはずなのに、入場した時は19名、帰りは18名になっていた!
しかも警備員が1名失踪。
そして展示室にあった貴重なシェークスピアの稀覯本が、他の本にすり替えられていた!(かわりに置かれていた本の方が、盗まれた本より貴重なものと判明、2度ビックリ)
さらにしばらくして、盗まれた本が送り返されてきた!
革表紙が一部切られてるものの、修復費も同封されているという親切な気くばり。
泥棒の目的は何なのか?

では、ここまでのネタバレ、まずは物語の鍵となる稀覯本の秘密から。
この本、革表紙の中に重要な書類が仕込まれていたのである。
それはシェークスピアが友人にあてた手紙・・・
ハムネット・セドラーという人物に毒を飲まされており、このままでは殺されてしまう」という内容。
永らく謎だったシェークスピアの死因を解明する貴重な資料なのだった。(ここに使われた署名が例の「WmSHE」
盗み出した犯人はエールズ博士、彼は教師の団体にまぎれこみ、稀覯本をすり替えて逃走。(ただ盗んでは申し訳ないので、かわりにもっと貴重な古書を置いてきた)
盗みの現場を見た警備員はエールズを追跡するも、行方不明に。
あ、もう1人教師の団体にまぎれこんだ人物がいますが、重要でないので省略(笑

さて、こうして世紀の発見となる「シェークスピアの手紙」をゲット、屋敷の秘密の場所に隠したエールズ
だが、「その手紙を俺に渡せ!」と訪ねてきた人物があった。
エールズの双子の兄、まもなくブリタニック博物館の新館長として就任する予定の古書研究家・・・ その名も、ハムネット・セドラー
そう、シェークスピアを殺した犯人の子孫なのです。
そんな手紙が公表されれば、我が一族の祖先がシェークスピアを殺したなんて事実が世に知られたら・・・ セドラー家は呪われた家名として歴史に名を残すだろう。
それを防ぐため、手紙は抹殺しなければならない。(弟は家名なんてまったく気にしていない、手紙をただの「莫大な値打ちのあるお宝」としか見ていない)
弟を監禁、「手紙はどこだー」と責めたてる兄。
博物館の警備員もエールズを追跡して運悪くセドラーに見つかり、監禁される。
「ようし、こうなったら屋敷に爆弾を仕掛けた。お前が口を割らなくとも、手紙は屋敷ごと木っ端みじんだー」と脅され、ついに口を割る弟。
兄は壁の中の隠し場所から手紙を回収、燃やそうとするが・・・
だが兄セドラーは何者かに斧で殺害され、手紙は奪われた!
さらに兄が止めそこなった爆弾が炸裂、屋敷は木っ端みじん・・・(弟と警備員は無事に救助された)
この後、弟は双子であることを利用して、兄のセドラーに成りすますが(死体はエールズ博士ということで)、色覚の障害をレーンに見破られ、正体がバレる。(しかし盗品は返却してるし、特に罪には問われない)

ここまで盗難と監禁だけで死体の出なかった物語ですが、大詰めに来て、ついに殺人事件が発生。
その犯人に気づいたペイシェンスはショックのあまり家出をしてしまうが、レーンが新聞に掲載した求人広告により、泣く泣く戻ってくる。
サムと恋人ゴードンとともに、レーンの館へと向かうペイシェンス
「殺人犯が手紙を奪ったのは、貴重なシェークスピアの資料を守りたかったから・・・ 死体を地下室に隠したのに、地下室に仕掛けられた時限爆弾に気づかなかったのは、耳が聞こえないから!」

館に着いた彼らを待っていたのは、庭園のベンチで永遠の眠りについたドルリイ・レーンの委縮した姿だった・・・
名探偵にして殺人犯・・・
レーンサムに残した手紙によると、無事に取り返したシェークスピアの手紙はイギリス政府に寄贈したそうです。

*** 注意! ここから先、「Yの悲劇」のネタバレ含みます ***

ま、「Yの悲劇」でも犯人を抹殺してるレーンですから笑
それほど意外ってわけでもないですが、資料のため人ひとり殺すとは、なかなかやってくれます。


エラリイ・クイーン作品のネタバレ
「Xの悲劇」
http://puripuriouch.at.webry.info/201212/article_16.html
「Yの悲劇」
http://puripuriouch.at.webry.info/201212/article_16.html
「Zの悲劇」
http://puripuriouch.at.webry.info/201411/article_15.html



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