【ネタバレ】 「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P・ホーガン

INHERIT THE STARS (1977)
James Patrick Hogan



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謎を解かれても、「へえ、そうなの」という感想しかないが・・・

最近めっきり小説のネタバレが減ってしまいましたが、やっぱり映画1本見るのに比べて小説は読むのに時間かかるからね・・・
さて、2ちゃんねるで評価が高かったので読んでみた名作「星を継ぐもの」ですが、おもしろそうなんだけど、まあまあおもしろかったと思うんだけど、読了して満足感が薄い・・・
自分には合わないかもしれない、というかSFを読むのがキツくなってきたかもしれない・・・

月で発見された1体の死体。
それは未知の宇宙服に身を包んでいたが、中身は紛れもなく人間、我々とまったく同じ人類であった。
ところがなんと、解析によると、この人が死んだのは今から5万年前であることが判明・・・
という出だし、実にワクワクしますね!
この死体が提示する大いなる謎、それに挑む科学者たちの物語なのですが・・・

チャーリーと名づけられたこの死体、種族は仮に「月人(ルナリアン)」と呼称する。(が、月に生まれた種族でないのは明らかで、どこかの母星からやってきて月を探検、基地を建設したらしい)
ルナリアンの正体は現在の地球文明が誕生する以前に、地球に発生した「先行する人類」なのではないか?
でなければ、ここまで現在の人類と特徴が一致する理由が説明できない。
だが、その仮説はノー。
地球上には、そのような古代文明が存在した痕跡はまったくない。(ムー編集部は不満そうですが)

チャーリーが所持していた日記帳の解読が進むと、ルナリアンの実像がだんだんハッキリしてくる。
彼らは2つの勢力に分かれて戦争していたようで、月面にも軍事基地が建設された。
彼らの母星は、どうやら月からかなり近いようだ。
母星から月まで2日で移動してるし、月からエネルギー砲で母星を攻撃してるし、何より月から母星を見上げると、その表面がハッキリ見えたという・・・
という条件に合う星は、やっぱり地球しかないやん!
だけどね、地球上にはそういう宇宙戦争みたいのが行われた形跡はまったくないんですよ・・・(一方、月のクレーターは超兵器による攻撃の跡だと判明・・・ 月でドンパチしたのに、なぜ地球には影響がなかったのか?)

同じころ木星の衛星ガニメデの地下から、謎の宇宙船が発掘される。
こちらは明らかに地球人類と異なる、異星人の文明。
この種族は仮に「ガニメアン」と呼称されるが、地球人よりかなりデカい巨人のような種族らしい。
が、船倉にはなんと、マンモスなど地球で生まれた動物たちのミイラがぎっちり積まれていた・・・ まるでノアの箱舟。(宇宙船が動いていた頃は動物もミイラでなく、ピチピチ生きていたようだ)
この発見もまた議論を呼び、いくたの仮説が提唱される。
地球の生命はもともとガニメデで生まれて、それが地球に運びこまれたのではないか?
ルナリアンが戦争していた相手はガニメアンではないのか?
謎が謎を呼んで、もうワケワカラン・・・

だが、すべてのパズルのピースがスコーンとはまる、お見事な解答があった。
かつて太陽系には10番目の惑星があった。
その名は「ミネルヴァ」・・・ 位置は火星と木星の中間。
このミネルヴァに生命が誕生、やがて高度な知性を持った種族へと進化。
それがガニメアンと呼称される巨人種族・・・ 彼らの正体はミネルヴァ人だったのだ。
だがミネルヴァの大気の異変によって陸棲動物のほとんどが絶滅。
そこで当時すでに生命が繁栄していた地球から、いろんな陸上動物(原始人含む)を輸入したわけ。

こうしてミネルヴァの生態系を立て直す試みが行われたものの、結果が思わしくなかったせいか、ミネルヴァ人は故郷を捨てて外宇宙へと移住することに。
地球から取り寄せた動物を、船倉いっぱいに積んで・・・ (ガニメデで発見された宇宙船は、それらの1隻が事故を起こして墜落したものじゃろう)
てなわけでミネルヴァは支配者なき星となったが、その後にメキメキと頭角を現してきた種族があった。
地球から持ちこんだ原人が高度に進化をとげ、ついにホモ・サピエンスとなった!
ミネルヴァに新たな文明を発展させた、この種族こそルナリアンの正体。
科学を発達させた彼らだが、やがて2大勢力に分かれて戦争開始。
ついにミネルヴァは強力兵器によってドッカーン!
木っ端みじんに砕かれて、現在我々の知る「小惑星帯(アステロイド・ベルト)」となったのでした。

なるほど、ルナリアンの母星はミネルヴァだったのか・・・
でもちょっと待って!
月とミネルヴァの距離はかなりあるし、2日では移動できないよ!
もちろん月からミネルヴァを見上げても、小さい星にしか見えない・・・
あーあ、やっぱりミネルヴァルナリアンは関係なかった、いちからやり直し・・・
ところがどっこい。
ミネルヴァにも月があったのだ・・・ 惑星なんだから衛星くらいある。
そいでミネルヴァが爆発した時、その月はスポーンと飛び出して宇宙をさまよい、地球の衛星軌道にスッポリはまってしまった!
つまり地球の月は、もともとミネルヴァの月で、だから地球には宇宙戦争の痕跡がなかったんじゃよ・・・
さらにミネルヴァ消滅後、月に生き残ったわずかなルナリアンたちは、頭上に青く輝く新たな母星・地球へと移住。
我々人類の祖先となったんじゃよ!
そんなわけで原始人と現生人類を結ぶ中間的人類の骨が地球上で発見されないわけ。(このミッシング・リンク(失われた環)と呼ばれる中間的人類のミイラが、例のガニメデの宇宙船から発見されている)
ふーん、なんか謎が解けたわねえ。
でも、できすぎ・・・
話できすぎ、出来杉くん!



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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2018年10月19日 23:31
ジェイムズ・p・ホーガンは中学生の時結構読んだなあ…
いわゆる中2病を発症させたSF作家でした…SF作家でも一番ハマったのはアーサー、C、クラークだったけどハインラインも読みましたなあ(スタジオぬえだったかがカバーデザインした「宇宙の戦士」無くしちゃったよう…)
確か本作と「巨人たちの星」、アーサー、C、クラークの「2010年宇宙の旅」は今もありました。「2010年宇宙の旅」はホントに2010年、人類は木星に行くハズだ!って思わせる妙な説得力があったの覚えてます(人類は木星に行くどころか、リーマンショックでそれどころじゃ無くなったもんね…)中学卒業の頃に新聞読んで悲しかったなあ…アーサー、C、クラークの訃報…後、チャールトン、ヘストンの訃報とようやく観た「2010年宇宙の旅」の映画版の主演だったロイ、シャイダーの訃報…
あうち
2018年10月20日 10:26
うわーこれ中学生が読むにはちょっと難しいですよね?
私が中学の頃はもっとスペースオペラっぽいSF読んでました笑
ハインラインを初めて読んだのも高校になってから。
スタジオぬえのパワードスーツはカッコいいですよね!
たしか初代ガンダムをデザインした人(河原崎さん?)が描いてたと思いますが・・・

2010年に限らずSFの未来予想はあらかた外れてしまい、そこにSFの限界を感じます。
映画2010年は近いうちにレビューしまうよー

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