【ネタバレ】 「非(ナル)Aの世界」 A・E・ヴァン・ヴォークト

THE WORLD OF NULL-A (1945)
A.E.van Vogt



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A・E・ヴァン・ヴォークト

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だから「非(ナル)A主義」ってなんなの・・・

今回は古典的名作SF。
ヴァン・ヴォークトは小学生の時に「宇宙船ビーグル号の冒険」を読んで、とにかく宇宙怪獣がいっぱい出てきてうれしかったが、今回読んだ「非(ナル)Aの世界」のよくわからんことといったら。
内容は未来世界の活劇で、話もチャカチャカ展開するし退屈ではないのだが、用語や世界観の説明がほとんどないので、置いてきぼり感がハンパない。
まずタイトルにもなってる「非A」とは何か。
アリストテレスのことで「非アリストテレス主義」ってことなんだけど、アリストテレスって誰だっけ?
浴槽につかって湯がこぼれるのを見て「サキイカ!」と叫んだ人だっけ?(それはヒポクラテスだよ!)
とにかく「非A哲学」を学んで「非A」的な神経の使い方の訓練を受けると、常人にはできないいろんなことができるらしい。
うーん、よくわからん。

未来の地球では「非A哲学」に基づいて開発された巨大コンピューター「ゲーム」と呼ばれる試験を行い、大統領をはじめとする政府要職者にふさわしい人材を選んでいる。
主人公ギルバート・ゴッセン「ゲーム」に参加すべく、巨大コンピューターの宮殿がそびえる「機械市」へとやってきた。
この「ゲーム」がメインの内容かと思いきや、どんなゲームなのか、まったく描写がない・・・ なぜなら主人公ゴッセン「ゲーム」に挑戦することができなかったから!(エントリー試験だけは無事に受けられたが、それは紙に鉛筆で記入するペーパー試験www 「非A主義とは何か、書きなさい」みたいな問題)

「ゲーム」開催前夜、ホテルにチェックインしたゴッセンは、備え付けの嘘発見器によって「偽の記憶を植えつけられてる」と宣告され、宿泊を拒否されてしまうのだ。
なんだかよくわからないが、ゴッセン自身もよくわからない。
自分が誰なのかも不確かなまま、治安の悪い町に放り出されたゴッセンは、謎の追跡者に襲撃されたり誘拐されたり・・・ 大統領府を中心とした巨大な陰謀に巻きこまれてしまうのだった。

先にネタバレすると、強大な銀河帝国(笑)が地球およびその植民惑星でテラフォーミングによって楽園へと生まれ変わった金星を征服しようと狙っている。
銀河帝王の代理人ソーソンと、彼につき従う顔面が破壊された科学者X(エックス)が今回の敵役だ。(は早々に死んでしまうが、顔が損傷しているのは重要な伏線。)
この帝国に対抗するのが、「非A哲学」を作り出した「一般意味論協会」を中心とする勢力で、巨大コンピューターもこちら側だ。

極秘に進められた帝国の侵攻作戦がいよいよ開始という時になって、ゴッセンという素性の知れぬ人物が「機械市」に出現した。(ゴッセン本人も自分の素性がわからない)
なんとこのゴッセン「予備脳」という第2の脳があって、恐るべき超能力に目覚めるかもしれないっぽい可能性がある。(それには訓練が必要だが)
まさか帝国に反撃するための秘密兵器では? という疑念が出たのでソーソンはいったん作戦を中止、ゴッセンの正体が判明するまで延期だ!

だがゴッセン、逃亡中に熱線銃で撃たれて死亡。
主人公、死亡・・・ が、ゴッセンは金星で目覚めた!
なんと「第2の肉体」が金星に隠してあって、「第1の肉体」が死ぬと同時に精神がこちらに移ったらしい。
さらに「第3の肉体」もどこかあって、これはすでに「予備脳」が完成してスーパー能力が使える状態になっており、「地球を救うため、もう1回死んでくれやー」とお願いされるゴッセン。(最初の肉体から完成状態にしておけばよかったのでは?)
が、が、敵もさるもの、先に「第3の肉体」を見つけだし破壊してもうた!
こうなったら今の肉体で訓練して「予備脳」を覚醒させるしかない。

ソーソンは延期していた侵攻作戦を開始、まず金星に攻めこむが、ゴッセンが時間を稼いだおかげで準備する余裕があったのが、金星人(=金星に移住した地球人)によるゲリラ攻撃によって帝国の部隊は壊滅。
一方、地球の「機械市」も帝国によって攻撃され、巨大コンピューターもオシャカに。
ソーソンに連行されたゴッセンは、ともに「一般意味論協会」本部へ。
ここで「予備脳」の力を発動させるゴッセン、ファイヤー攻撃でソーソンとその部隊を全滅させる。
本部内で倒れていたのは、一般意味論協会会長にして「非A思想」を発展させた哲学者ラヴォアスール・・・ なんか悪の科学者に似てるけど!
実ははスパイとして帝国側に潜りこませた彼のクローンだった。
それだけではない、ラヴォアスールは他の誰かにも似ている・・・ ヒゲを剃り落としてみると、ゴッセンそのもの!
そう、ゴッセンの正体は大量に作られたラヴォアスールのクローンの1人だったのだ。(この時代にクローンという言葉はまだないので、本文中では単に「肉体」と呼ばれている)
そして、これこそが「非A哲学」によって編み出された「不死の秘法」だったのだ・・・

うーん、なんかオチがついたね!
物語は続編「非Aの傀儡」へと続くが、あまり読みたい気が湧かないなあ。



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