【ネタバレ】 映画「蜘蛛巣城」

蜘蛛巣城 (1957) 東宝



蜘蛛巣城 [Blu-ray]
東宝
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黒澤監督「撮影の事故に見せかけ三船を亡き者にしたい・・・ そうだ!」

名コンビ黒澤三船祭り3本目!
文豪ハムレット「マクベス」を戦国時代に翻案した「蜘蛛巣城」をお送りします。
じゃっかん眠くなるものの、幽玄な趣の傑作でありますな。
音楽が能楽っぽい。(眠くなる原因のひとつか?)
ウイキで確認すると7人の侍のうち6人が出演してるのですが、菊千代勘兵衛五郎兵衛以外はどこに出てるのかわからんかった。

今回もまたまた戦国時代。
領内の謀反を鎮圧した頼れる武将、三船敏郎千秋実
主君が褒賞してくれるので本拠地・蜘蛛の巣城へと向かう途中、怪しい森で迷ってしまった。
すると三ババ妖怪が出現!(元ネタはギリシア神話の運命の三女神かな?)
運命を象徴する糸車を回しながらババアどもが予言するには、
三船はいずれ北の館の主に、それから蜘蛛の巣城の主になるよ」
千秋はいずれ一の砦の主に、それから息子が三船の次の蜘蛛の巣城の城主になるよ」
千秋の前世はR2D2だよ」
それを聞いて怒りの三船、「ということは俺が我が君を裏切るということか?ありえぬ!ムキーッ」
斬りかかるも妖怪は、ケケケケケと笑いを残して消えるのであった。

だがもちろん、将来出世すると言われて2人は内心悪い気はしない。
しかも予言通り、主君からは「三船=北の館の主」「千秋=一の砦の主」に任命されたのだから、これはビックリ。
帰宅した三船奥方山田五十鈴)に、「こんなことがあったんじゃー」と話してしまうが・・・
この奥方がとんでもないクワセモノで、三船を地獄へとズルズル引きずりこんでしまう恐るべきキャラ。
大女優・山田五十鈴の演技には黒澤監督も大満足だったそうで。(特にクライマックスの発狂シーン)
前から思ってたけど、山田五十鈴の顔ってけっこう怖いよね・・・
奥方「もし千秋から殿に、この予言の話をチクられたら、旦那様は無事では済みませぬぞ」
三船「いやー千秋はチクるような奴じゃないでしょ」
奥方「それはわかりませぬぞ」
三船「いやーないない、ないと思うけど・・・ もしかしたら・・・」
奥方「先にアクションを起こして自己防衛なさるがよいでしょう・・・」
他人の言葉に簡単に乗せられてしまう人間心理の恐ろしさ。

結局、主君を罠にかけて殺してしまう三船夫妻であった。
この事件で罪を着せられたのが志村喬、主君の嫡子を守って落ちのびる。(後に反撃に出る)
予言通り、三船蜘蛛の巣城の主となった!
後継ぎのいない三船は、千秋の息子を養子に取ろうと考える。(そうすれば予言が成就)
が、またしても奥方が「血のつながらない他人に城主を継がせるなんて! なんのために必死こいて殿を殺めたのか、苦労が意味なし!」
三船「もう養子縁組の話を決めちゃったよ。祝いの宴も準備してるし・・・ それにどのみち俺達には子供がいないんだから」
ここで奥方、「実は懐妊してます」とカミングアウト、三船はビックリ。
「どうしたものか・・・」

結局、刺客に待ち伏せさせ、蜘蛛の巣城へと向かう途中の千秋父子を襲撃させる。(父は死亡、子は逃亡)
当然いくら待っても父子は宴席に現れない・・・ ここで死んだ千秋の霊が出現するシーンがちょっとショッキング。(白黒だからけっこう怖い)
三船も狂乱して抜刀、だが列席した人々の目には霊が見えないから、三船が狂ったとしか思えない。(というか狂ってる)
狂ったのは三船だけではない、奥方も死産したうえに精神をやられた!
「いくら洗っても血が落ちないのじゃ・・・」(そんな時はアリエール)
さんざん三船を焚きつけておきながら、真っ先に正気を失って脱落するとは、なんという無責任!

さらに畳みかけるように災いの嵐、逃げのびた志村喬千秋の息子とともに隣国の軍勢を引き連れて、蜘蛛の巣城を攻めてきた!
大ピンチの三船、1人で例の森に駆けこんで三ババに占ってもらう。(この男も不甲斐ないのう)
「森が動かぬかぎり、蜘蛛の巣城が落ちることないよ・・・」というお言葉をいただき、気を強くする三船
「そうか! 森が動くわけないから、俺が破れることはありえない!」
いやいや、「森さん」という人が動くかもしれないでしょ・・・
本当にそういう「なぞなぞ」レベルのオチなのですが(原作者が悪い)・・・ 蜘蛛の巣城を包囲する軍勢は、森から枝を大量伐採してカモフラージュに使用、軍勢が押しよせるとまるで「森が動いてる」ように見える!
ついに三船も年貢の納め時・・・

ここが世界をアッと言わせた名場面、次々と矢を射かけられ、三船が針ネズミとなってしまう・・・
CGのない時代、いったいどんな特撮で撮影したのか?
なんと仕掛もスタントもなし、ただ三船に向かって本当に矢を射ってるだけ!
しかも射手はプロではなく、近所の大学の弓道部員が射ってるというから驚きというか、呆れるというか、監督は本気で三船を殺しにかかってるとしか・・・ 危うく三船美佳が生まれてこないところでした。(この後で三船は監督に怒りが大爆発したって笑)
こうして心の奥底に潜む欲望に翻弄された武将の生涯は終り、時の流れとともに蜘蛛の巣城もまた、霧の中へと消えていったのでございます。


黒澤明監督作品のネタバレ
「羅生門」
https://puripuriouch.at.webry.info/201804/article_20.html
「用心棒」
http://puripuriouch.at.webry.info/201706/article_5.html
「椿三十郎」
http://puripuriouch.at.webry.info/201802/article_5.html
「天国と地獄」
http://puripuriouch.at.webry.info/201711/article_11.html
「隠し砦の三悪人」
https://puripuriouch.at.webry.info/201811/article_4e790ff509.html
「七人の侍」
https://puripuriouch.at.webry.info/201904/article_dacafe317f.html

黒澤作品以外の三船敏郎出演作品ネタバレ
フランケンハイマー監督の「グラン・プリ」
http://puripuriouch.at.webry.info/201209/article_12.html
テレンス・ヤング監督の「レッド・サン」
http://puripuriouch.at.webry.info/201304/article_2.html
スピルバーグ監督の「1941」
http://puripuriouch.at.webry.info/201302/article_3.html
「人間の証明」
http://puripuriouch.at.webry.info/201705/article_6.html
「日本の首領(ドン) 野望篇」
http://puripuriouch.at.webry.info/201511/article_1.html

黒澤作品以外の志村喬出演作品ネタバレ
「ゴジラ(1954年版)」
https://puripuriouch.at.webry.info/201805/article_20.html
「地球防衛軍」
https://puripuriouch.at.webry.info/201805/article_19.html
「妖星ゴラス」
http://puripuriouch.at.webry.info/201505/article_9.html
「新幹線大爆破」
http://puripuriouch.at.webry.info/201404/article_5.html
「怪談」
https://puripuriouch.at.webry.info/201810/article_8.html

山田五十鈴出演作品のネタバレ
「用心棒」
https://puripuriouch.at.webry.info/201706/article_5.html
「柳生一族の陰謀」
https://puripuriouch.at.webry.info/201802/article_4.html
特別編必殺仕事人「恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊」
https://puripuriouch.at.webry.info/201708/article_8.html
必殺シリーズ10周年記念スペシャル「仕事人大集合」
https://puripuriouch.at.webry.info/201708/article_9.html
「必殺! THE HISSATSU」
https://puripuriouch.at.webry.info/201401/article_1.html


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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2019年11月20日 10:24
この映画観ましたよ!
ホントニラストは圧巻の名演でしたなあ。
白黒だから幽霊とか不気味な霧とかが不気味に見えました。
この映画はシェイクスピアを翻案した映画では最高峰だそうです(他にもマクベス翻案映画はあるものの、大体が現代劇やギャング映画にリメイク)この映画でシェイクスピアモノに自信がついた黒澤明はこの頃から「リア王」の映画化や「ロミオとジュリエット」の映画化や翻案に着手してたそうな…
「リア王」は仲代達矢の「乱」で翻案されたけど…ロミジュリは誰でやろうとしてたんだろう?
あうち
2019年11月20日 10:56
ラストはすごかったですよね。
と言えるのも事故がなかったからで、ほんとに昔の映画は冒険というかギャンブル・・・
コネリーがボンド役を降板したかったのも、同じような理由(撮影が危険すぎる)だったみたいです。

白黒って普通の恋愛映画でも怖い感じしますよね笑
死後の世界みたいで・・・
初代ゴジラもカラーだったらチープに見えたでしょうねー。

ロミジュリといえばアニメ「バジリスク」原作の甲賀忍法帖も元ネタはロミジュリなんですよね。
「SHINOBI」のタイトルで実写映画化されたけど沢尻容疑者が出演してるから放送は無理でしょう笑
蟷螂の斧
2019年11月25日 06:14
おはようございます。
この映画は「水墨画を見るような美しさ」と言われています。
白黒映画で良かった。

>三ババ妖怪が出現!

演じてるのはオロナイン軟膏のお婆さんですな。

>木ノ内さん

実写版「野球狂の詩」が結構良かったです。

>稲葉義男さん

山口百恵の「赤い衝撃」で製菓会社の社長役。娘役が木内みどりさん。
木内さんは百恵さんの恋敵役でした。
あうち
2019年11月25日 10:34
おはようございまーす。

たしかに白黒ならではの美しさですね。
当ブログもけっこう白黒作品がたまってきましたなー。

「赤い衝撃」
見てたような気もするのですが、完全に記憶の彼方です(汗
「赤い疑惑」ならまだ、いくらか記憶が・・・

オロナイン軟膏CM
完全に忘却の彼方です(汗
見れば思い出すと思いますが、ユーチューブでも見当たらず・・・

「野球狂の詩」実写版
なぜか公開時に映画館で見ました。
招待券をもらったのかな・・・?
あのころは水島漫画にハマってたころでしたからねー。
みどりさんはキレイだけで投球フォームが・・・

蟷螂の斧
2019年11月26日 05:53
おはようございます。

>死んだ千秋の霊が出現するシーンがちょっとショッキング。

怖いですね~(淀川先生風に)!

>奥方も死産したうえに精神をやられた!

五十鈴さん。実生活では娘さんがいろいろと・・・。

>みどりさんはキレイだけで投球フォームが・・・

それと他のプロ野球選手役の人達が、体格や運動神経の面でちょっと・・・と言う意見もありました。

>「野球狂の詩」実写版

「ドカベン」「こち亀」の実写版も見たいです!
あうち
2019年11月26日 09:32
おはようございまーす。

あの幽霊は本物のようでしたね。
山田五十鈴の娘さん、麻薬かなんかで死んじゃったんでしたっけ?(嵯峨なんとかさんでしたっけ)
「仕事屋稼業」にその娘さんがゲスト出演、なかなかの名演でしたよ。
その回を見て気に入った五十鈴さん、自分も「必殺」出演を決めたそうです。

「ドカベン」映画も見たけど「野球狂」の方がまだ良かったです・・・ 岩鬼がひどかった記憶
蟷螂の斧
2019年11月27日 06:22
おはようございます。

>瑳峨三智子

きれいだし、演技も上手いけどトラブルが多い人生。

>「ドカベン」

マッハ文朱が夏子はん?川谷拓三が殿馬?

>ただ三船に向かって本当に矢を射ってるだけ!

もう伝説です!
あうち
2019年11月27日 15:05
おはようございまーす。

あ、そうそう瑳峨三智子でした。
今話題のエリカさんもそうですが、女優は自らトラブルを呼びこむ面倒くさい人が多いですねー。
女優と結婚しなくてよかった!

川谷拓三が殿馬>
あー記憶が甦った笑
川谷拓三はどちらかというと殿馬というよりショートの石毛にソックリですね。(覚えてらっしゃいますでしょうか)
マッハ文朱の夏子はんはむしろ漫画よりイイ!
綾小路清隆(仮名)
2019年12月03日 09:54
シェイクスピアの伝記?っぽいラブストーリー映画「恋に落ちたシェイクスピア」は黒澤明も映画化したかったかもしれないロミジュリの創作秘話的なラブストーリーになってます…
この映画には女Mことジュディ、デンチも出演し、この映画でアカデミー賞に輝いてますね。
(ヒロインは「セブン」でかわいそうな目に遭うグウィネス、パルトロウ)同年の「プライベート、ライアン」からアカデミー賞作品賞をかっさらって最多受賞してます…
でも、プライベートライアンに比べると印象薄いし、この映画にオマハビーチのようなインパクト無いんですなあ…
あうち
2019年12月03日 15:05
「恋に落ちたシェイクスピア」、タイトルだけは知ってます。
「プライベートライアン」からアカデミーを奪ったのか・・・
あまり興味を引かれなさそうなタイトルですが・・・
イタリアのヴェローナという町では、まるでロミジュリが実話だったかのように「ジュリエッタの家」が観光名所になって世界遺産になってる・・・笑

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