【ネタバレ】 映画「ラストエンペラー」

THE LAST EMPEROR (1987)


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「ファースト・エンペラー」秦の始皇帝から始まった歴史がここに終わる!

「歴史に翻弄された人々の映画」第4弾!
ベルナルド・ベルトルッチ監督の歴史大作「ラストエンペラー」(原題:最後の皇帝)をお送りします。
なんといっても中国政府全面協力で世界初の紫禁城でのロケ、うーん、いかにも紫禁城!
音楽はあまり好きでもない坂本龍一ですが、今回のサントラはいいですね!
主人公の愛新覚羅溥儀(あいしんかぐら・ふぎ)を演じるジョン・ローン、アクション俳優のイメージがありましたが、これほどの演技ができたのですね。(だが、甘粕正彦を演じた坂本龍一、アンタはダメ)

このように映像・音楽・演技陣と申し分のない本作ですが、あえて難を言うなら・・・
ラスト・エンペラー溥儀という人物が本当に何もしない、ただただ歴史に流された人である・・・ という点。(実話ベースだから仕方ないけど)
それなりに優秀そうではある描写はありますが、結局は中国の最後の皇帝である、というその一点のみで歴史に残った人。
見終わっても、「ああ王朝中国の歴史が終わったんだなあ」という感慨のみで、溥儀に対してはなんの感動もない。
同じようなポジションの日本の「ラスト・ショーグン」徳川慶喜は、大政奉還によって流血を避け日本の近代化への道を開いた・・・ という実績は評価できると思いますが。

あとやっぱりイギリス・イタリア映画だから、西洋から東洋を見た時にありがちな「リスペクトしてるようで見下してる」感がプンプンしますね。
紫禁城でマトモな人間として描写されるのはイギリス人のジョンストンおよび西洋の思想や価値を受け入れた溥儀と皇后のみ。
それ以外の中国人は何を考えてるのかわからんエイリアンみたいな・・・
ま、これも西洋人の生まれついての病気というか体質のようなもので、文句をつけたところで治るものでないから仕方ないけど・・・
あ、それと共産主義者ベルトルッチ監督だから仕方ないけど(さっきから仕方ないばっかり言ってますが)、日本軍はもちろん100%悪として描かれてます、仕方ないけど・・・
以上のような点に目をつむれば、名作と言える映画でしょう。
アカデミーで作品・監督・その他もろもろ賞を受賞。

ストーリーは時代が未来に行ったり過去に行ったりシャッフルされてますが、これを時系列順に並べ直すと

第1部 紫禁城の日々
フギ、誕生。幼くして皇帝に即位。が、まもなくナントカ革命によって中国の政権は中華民国に。
紫禁城の敷地内においてのみ、清王朝が保存される。
フギの家庭教師としてやってきたイギリス人ジョンストン、演じるは久々に見るピーター・オトゥール
「アラビアのロレンス」に続いて今回も異文化交流、最後の方では清の衣装を着てコスプレしてるし、本当にロレンスの再来。
後に「紫禁城の黄昏」を著すジョンストン、管理人ももってたような気がするけど、どこかにしまいこんでしまったな。探して読まないと。
ジョンストンフギの交流が前半のハイライト。
だが、ついに革命の波は紫禁城にも押しよせ、フギは宮殿から去らねばならなくなる・・・

第2部 再び満州皇帝に
行く当てのないフギに救いの手を差し伸べたのは日本。(日本に感謝しないとね)
天津の公館に保護され、贅沢三昧な日々。
やがて日本は満州国を建国、フギを皇帝として即位させる。
あ、「満州(マンチュリア)ホワーット?」という方のために説明すると、満州とは朝鮮の北側にある古代は独立した国だった地域。(日本史では「渤海(ぼっかい)」という名で登場)
中国の漢民族とは異なる民族であり、清王朝は満州人が立ち上げた王朝だった。(よって漢族からは敵視されてる)
日本は中国を侵略して満州を独立させたわけだが、皇帝となったフギは日本と対等どころか自分がまったくの傀儡に過ぎないと知り大ショック。
けど考えてみたまえ・・・ フギは満州を独立させるため一滴の血も汗も流してないんだよ?
日本のお金と苦労によって建国された満州国、すべてのお膳立てを日本にしてもらって、「ハイ、私が即位したから今日から日本とは対等です」なんて、そんな虫のいい話があるわけない。
傀儡となって働くのは当然、イヤなら出ていけばいいのに・・・
というかフギが日本に感謝する場面はひとつもなし、それがこの映画のムカつくところでしょう。
などと言ってる間に無事、日本は敗戦、満州国は崩壊するのだった。

第3部 共産中国に生きる
フギの人生は、この時点で終わったといってよい。
ソ連に逮捕され、やがて共産主義国家となった中国の捕虜収容所へ。
ここで「お前の人生を全否定しろー! 反省文を書けー!」と責められる。
時は流れ釈放されるフギ、庭師として働く・・・ 平凡な一市民の平凡な人生。
文化大革命が始まり、かつての収容所所長がさらし者として連行される場面が怖い。
これ 文化大革命の狂気
https://www.youtube.com/watch?v=9CitfXK_BvY

で、1967年・・・ フギの没年となる。
今は観光名所となった紫禁城を訪れるフギ、管理人の息子に、かつて玉座の下に隠した壺からコウロギを取り出して見せる・・・ 少年が顔を上げると、フギの姿は消えていた。
このラストシーンのフギは現実でなく、一種の「幽霊」でしょう。
これ
https://www.youtube.com/watch?v=3jMsN-L6-_E

あまりにもアップダウンの激しい人生ですが、個人的な意見としては、フギは自分を支えてくれた人々への感謝の気持ちがまるでなく、自分のことしか考えないような人間だから、こういう人生になったと思うよ。
特に日本への感謝がまるで足りない!


ピーター・オトゥール出演作品ネタバレ
「アラビアのロレンス」
https://puripuriouch.at.webry.info/201607/article_2.html
「007/カジノロワイヤル」
https://puripuriouch.at.webry.info/201305/article_17.html


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この記事へのコメント

綾小路清隆(仮名)
2019年09月13日 22:36
BSで多分2、3回は観てるかも、この映画!
公開当時は昭和最期のスペクタクルなんて宣伝されたみたいですね…
この映画のおもに史実と違う点では甘粕大尉と川島芳子が恋人だったみたいな描き方や日本軍の描き方は専門筋からは低評価ですねえ…
ちなみに、収容所の場面では当時の収容所 関係者や当時の共産党関係者がカメオ出演してるとか…
綾小路清隆(仮名)
2019年09月13日 22:42
この映画に坂本龍一は当初は音楽のみで参加だったのが、監督かプロデューサーが「戦場のメリークリスマス」に感銘して俳優として出演するよう頼んできたとか…(たしか、「徹子の部屋」か「僕らの時代」で言ってたような)
あうち
2019年09月13日 23:29
私も2回見ました。
2回目の方が印象良かったです。

けっこう共産党の描写がネガティブなのに、よく中国が納得したなあ。
収容所スタッフまで出演していたとは驚き。
まあ、この映画の制作時には文化大革命も否定する動きが中国で出てきてたから・・・

アマカスの描写は確かにインチキ臭いですね。
川島良子も美人じゃなかったし・・・

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