【ネタバレ】 「虎よ、虎よ!」 アルフレッド・ベスター

TIGER! TIGER! (1956)
Alfred Bester


虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)
虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2)


SF版「巌窟王」、我が赴くは星の海!

読書の秋、SF小説7本一気読み、5冊目!
アルフレッド・ベスターの名作「虎よ、虎よ、虎よ!」、スペースオペラ最高傑作はレンズマンじゃなくてこちらかもなー。
これもまた日本のコンテンツに影響与えまくってます・・・ 特に石ノ森先生・・・ 今だったら訴えられても仕方ないレベル・・・苦笑
かつてNHKが本作をアニメ化しようとしたけど権利の関係で断念、やむをえず本作の元ネタであるデュマ「巌窟王」をSFに置き換えるという苦しい企画で放送してました。
あれはあれでなかなか名作でしたなあ。(最終回を除いて)
ゴンゾー製作でしたっけ?
OPが良かったから動画貼っちゃおー
これ
https://www.youtube.com/watch?v=aGsV_7JtUII

あらやだNHKの「日本巌窟王」のOPも見つけてしまった。(主演:草刈正雄
あれもおもしろいドラマだったなあ、主題曲が何気にマカロニ調だなあ。
これ
https://www.youtube.com/watch?v=Rwg01uAqMf0

というわけで「巌窟王」原案にハズレなし!
中でも「虎よ、虎よ!」は、その最高峰と言えるでしょう。
ふとした偶然から、人類が「ジョウント」と呼ばれるテレポーテーション能力を手に入れた(ただし出発地と目的地の正確な座標がわかってないと不可、地球外では不可、などの制限付き)未来世界。
太陽系は2大勢力に分裂して星間戦争の真っ最中・・・ お、「設定でおなかいっぱい」小説の予感がしますが、気にしない。
そんな時代を背景に、宇宙貨物船ノーマッド号は敵軍の攻撃を受け大破。
唯一の生存者、粗野で生命力あふれる機関士ガリヴァー・フォイルは破損した船内で救助を待ちながら、必死のサバイバルを続けていた。
<ネタバレ> 後に判明しますが、実は生存者フォイルは敵軍によってノーマッド号から遠く離れた宇宙空間に放り出されていた・・・ (救助船をおびきよせる餌として。救助船が近づいたら敵軍が攻撃する予定)
が、フォイルは不可能と考えれていた「宇宙ジョウント」を無意識のうちに実行、ノーマッド号に戻っていたのである。(この記憶はフォイルから消えている)
フォイルの中には、人類が次の段階へと進化するエネルギーが眠っていたっぽい。
とにかくフォイルはただ者ではないのだ。

攻撃を受けてから、どれほどの時間が流れたろうか・・・
ついに、宇宙船が近くを通りがかった!
「ヴォーガ」という船名が見えるが・・・ 「おーい、ここだー、助けてくれー」
必死に合図を送るフォイルだが、ヴォーガ号は無視して通り過ぎていく。
「なんで助けてくれんのじゃー!」
怒りの炎が煮えたぎるフォイル、こうなったら必ず生き残ってヴォーガ号に復讐してやる!
<ネタバレ> 後に判明しますが、ヴォーガ号ノーマッド号の遭難を目の当たりにしながら無視した理由・・・ それはヴォーガ号には敵陣営から亡命する避難民が大量に乗船しており・・・ 同じく乗船していた「権力ある人物」が、避難民を宇宙に放り出して遊んでいたから!(その人物は宇宙空間で死んでいく避難民を見て喜んでいた狂人)
そういうわけでフォイルを救助すると面倒なことになりそうだし、どうせ救助しても殺すから、無視してバイナラ~
その人物とは何者なのか? という謎が、この後に物語を引っ張る。

怒りのフォイルは自力でノーマッドのエンジンを応急修理、小惑星帯まで移動。
そこに生息する「漂着した科学者が退化して野蛮人みたいになった連中」に捕らえられ、顔に「ノーマッド」という文字と虎のような極彩色の縞模様をイレズミされるのだった。(ニュージーランドのマオリ族の刺青を参考にしたらしい)
フォイルノーマッド号の残骸をそこに隠し、小惑星に埋まってた宇宙船を奪って脱出、地球を目指す。
<ネタバレ> 後に判明しますが、ノーマッドには大量のプラチナ(現金換算するとてつもない金額)が積まれていた。
それだけではなく、星間戦争の趨勢を決する「パイア」という謎物質も・・・
ラストで明かされるパイアの正体、それは惑星を破壊するほどの破壊力を持った爆薬なのだが、なんと「念」によって爆発する・・・ つまり誰かが「爆発しろ」と念じると地球が吹っ飛んでしまう、なんとも危険なシロモノ。

地球に戻ったフォイルヴォーガ号の船主と所在を調査、なんとしても、あの憎き船を破壊してやる所存。(この時点では船自体が復讐の対象ですが、後に船を指揮していた責任者、フォイルを見捨てるよう指令を出した人物へとターゲットが移り変わっていく)
ヴォーガを所有するのは地球最大の大富豪ブレスタイン、不用心に近づいたフォイルは捕えられ地底の牢獄へ。
ブレスタインはまたノーマッドにプラチナとパイアを積みこんで輸送させた張本人であり、消えたノーマッドの行方を追っていたので、フォイルが唯一の生存者だと知ると、手下のダーゲンハムに彼を追わせる。
全身に放射能を帯びた危険な男・ダーゲンハム、なかなか面白いキャラクター。(花に手をかざすと放射能で枯れてしまう!)
地下牢を脱出したフォイルは、ノーマッドに「財宝」が積まれていたと知り、数々の冒険の末、奪った宇宙船でバック・トゥー・ザ・小惑星帯、ノーマッドからプラチナとパイアを回収。
ダーゲンハムの追撃をかわして宇宙に消えた!
ふー、ここまでが前半。

奪ったプラチナを金に換え、大金持ちとなったフォイル
整形手術で刺青を除去(ただし興奮すると虎の模様がよみがえる)、教養を身につけ、完全なる別人に成りすます。
今ちまたを騒がすサーカス団の団長ジョリー・フォ-マイルこそ、変身したフォイルの新しい姿だった。
しかも肉体を改造して「加速装置」を内蔵・・・ 奥歯がスイッチになっていて、カチッと噛むと常人の目にも止まらぬスピードで動ける。
「赤いマフラーなびかせて ゆくぞサイボーグ」と主題歌が聞こえてくるような・・・(初めて読んだ時はショックでしたよ!)
こうして世間で話題の紳士として、再びブレスタインの前に現れたフォイル
ブレスタインの盲目で白子の娘・オリヴィアと運命の出会い・・・ 盲目なのに赤外線は見えるという白磁のような肌の美女、フォイルはたちまち恋に落ちてしまう。

サーカスを経営して世間を欺きながらも、世界中をジョウントしながら「ヴォーガ号の責任者」を探すフォイル。(船長は責任者ではなかった)
彼が危機に陥るたびに姿を現す、全身が燃える「フォイルの亡霊」のような幻影?人間?は一体何なのか?
<ネタバレ> ヴォーガ号から避難民を放り出していた狂気の人物とは、オリヴィアだった!(娘がそんなことをしていたとは父親も知らない)
盲目に生まれたという運命を呪い、弱者を虐殺してうっぷんを晴らしていたようだ・・・
真実を知ったフォイルは愛と憎しみの板挟みで苦しむが、最後にはそんなことはどうでもよくなる笑

ついにジョリー・フォ-マイルの正体は割れてしまい、フォイルパイアの秘密を知る。
崩れて燃え上がる大聖堂の瓦礫の下敷きとなったフォイル「時間を超えるジョウント」に目覚め、過去にジョウントしてピンチに直面した自分を助ける。(これが全身が燃える「フォイルの亡霊」の正体)
この場面でフォイルの視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触角が複雑に入れ替わってしまい、音が見えたり手触りが味になったり文字で表せないような体験をするのだが、これを表現するのに作者はタイポグラフィーという手法を使っている。
初めて読んだ時はビックリしたが(作者の思うツボ)、改めて読み直すとコケおどしくさいなあ笑
まあ、印刷屋さんが大変そうだなあ、としか笑
とはいえSFならではの経験、未読の方はご自身の目で確かめてビックリしてください笑

瓦礫の下から出てきたフォイルはすっかり覚醒していた。
全世界をジョウントで回りながら、パイアの秘密を宣伝してまわる。(日本にも立ち寄るよ)
「爆発しろ!」と念じるだけで地球は吹っ飛ぶよ!
逆に言うと全人類がしっかりと自覚をもって、地球が爆発しないように気を引き締めなければならない、というわけですな。
これは「核開発の競争はやめましょう」という作者のメッセージなんでしょうな。
こうして人類の救世主みたいになったフォイルさん、最後は宇宙ジョウントで小惑星帯に帰還、安らかな眠りにつくのだった。(死んではいない)

ラストがこんなメチャクチャだったのか笑
豪華絢爛なイメージの洪水、「SF小説10冊分のアイデアを詰めこんだ」という宣伝文句はダテではありません。
じゅうぶん満足できるオススメの1冊ですが、でもやっぱりラストが笑


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