【ネタバレ】「はだかの太陽」 アイザック・アシモフ

THE NAKED SUN (1957)
Isaac Asimov


はだかの太陽〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) - アイザック アシモフ, 小尾 芙佐
はだかの太陽〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) - アイザック アシモフ, 小尾 芙佐


あの名作「鋼鉄都市」続編を今ごろ読んだ!

「あの名作の続編」4連読書、第1冊目!
アイザック・アシモフロボット三原則「鋼鉄都市」の続編!
ミステリー作家も兼ねるアシモフならではのSFミステリー「はだかの太陽」(いやらしい・・・)を読みました。
前作では「宇宙人殺人事件」を見事に解決した人間刑事ベイリーとロボット刑事Kじゃなくてダニール、再びコンビを組んで今回は宇宙に進出!(といっても人類の祖先が進出した植民惑星であり、宇宙人といってもDNAは地球人)

惑星ソラリアは銀河系でもとりわけロボット文化が発達した星、人間よりロボットの方がはるかに人口?が多く、いろんな用途のロボットによって全土は公園のように美しく管理されている。
で、人間は人口が少ないので、でっかい邸にそれぞれ1人で住んで、召使ロボットに手厚く世話をされる毎日。
こんな生活を続けていたら、ソラリア人はすっかりソーシャル・ディスタンスの概念が発達して?人間同士で近づくのがイヤになってしまった。
「だって人間、臭いじゃん」「病気が移るし」
まるで現在のコロナ禍時代を予測したかのような笑
夫婦でセをする時、医者が治療する時だけは仕方ないから身体接触もするが、それ以外はすべて立体映像通信で用事を済ます。
たとえば友人とチェスをしようと思ったら、VR化してバーチャルでチェスを楽しむ。(決して生身の肉体で友人宅を訪ねたりしない)
いやー、すごい未来予想ですなー! 発表されたのは1957年ですよ!

そんなソラリアで、有史以来ほとんど犯罪というものが起こったことのないこの星で、殺人事件が起きた!
現場にはもちろんロボットしかいない、死因は撲殺、凶器は見つからない。
ロボットの犯行という可能性は?
それがあり得ない理由が、例の有名な「ロボット三原則」
1、ロボットは人間に危害を加えてはならない。
2、1に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わなければならない。
という3つの原則ですが、おそらくアシモフが前作を発表した後、「三原則があってもなお、こういう命令を下せばロボットは人間を殺せる!(あるいは殺人の共犯たりえる)」という裏技を考える人が続出したのではないかと思われます。
本作はそのへんをじゅうぶん考察した上で、トリックが仕組まれている。(ルールさえ確立してあればSF世界であってもミステリーは成り立つ)

ちなみに現代人の感覚からすると、「三原則なんてプログラムをいじれば、簡単に回避できるんちゃう?」と思ってしまうのですが、本書執筆当時は原始的なコンピューターしか存在せず、ソフトウェアの概念もないのです。
ロボットの頭脳も機械式、三原則も複雑な回路によって制御しているため、「三原則を外したロボットの計算用頭脳」を作ることは決して不可能ではないものの、膨大な手間と時間がかかるので現実的ではない。
そういう世界観の物語であることを了解した上で、お楽しみください。

さて、事件のガイシャにはグレディアというヒステリックな奥さんがいた。(この星では夫婦でも親子でも別々に1人1軒の豪邸に暮らす)
いかにソラリア人とはいえ、夫婦なら多少は近づけるだろうし、最近夫婦喧嘩してたみたいだし、この人が犯人じゃないの?(凶器は不明)と、なんとなく皆は思っていた。
もちろん奥さん本人は「私は殺してない!」と主張。
で、ソラリアには警官も刑事もいないし、地球から「宇宙人殺人事件」を解決した名刑事ベイリーを呼んで、ひととおりの調査をしてもらおう。
というわけで、上司「行ってこい。無事に事件を解決したら昇進させてやるから」
ベイリー「宇宙なんてイヤですよ! そもそも我々地球人は『鋼鉄都市』にこもってる引きこもりで、都市の外に出るだけでも気が狂いそうなのに」
上司「問題は、この事件だけではない。ソラリアでは何か、宇宙を揺るがすような陰謀が進行中らしいのだ。何か証拠をつかんでこい。ほいじゃ、行ってらっしゃーい」
ベイリー「イヤだってゆってるのに!」
宇宙へピュー

ソラリア着いたよー
ここでかつての相棒、ダニールと再会。(だが今回の彼は信用できるのか?)
調査を始めるが、地球とのあまりの習慣の違いに戸惑うベイリー
真相に迫る彼を、何者かがつけ狙う・・・ そして第2の殺人(未遂)。
いずれもロボットが関わっており、三原則を回避する複合技が、たびたび披露される。
浮かび上がってくるのは、怪しいロボット研究者・・・ 彼は現在、1台のロボットがさまざまな業務ができるよう、付け替え用アーム(アタッチメント)の研究をしている。(これ伏線)
が、裏ではロボットの頭脳を宇宙戦艦に搭載した「完全自動化宇宙艦隊」を作り上げ、銀河連合を攻撃しようと企てていた!(これが上司の言ってた「陰謀」らしい)
ダニールも真の目的は、この陰謀の調査だったようだ。
で、殺人事件のガイシャはこの陰謀を知ってしまい、報告しようとしたので口をふさがれた。
「犯人はお前だー!」
ロボット研究者「いや、ワシは人間を殺すどころか人間に近づくことさえできないし、それに凶器は?」
ベイリー「凶器はロボットの取り外せるアームだ! 現場にはお前の開発したアタッチメントをつけられるロボットがあった」
こうしてロボット研究者は逮捕され、陰謀も未然に防がれた。
めでたし、めでたし。

だが、事件にはまだ裏があった。
たしかに殺人計画の筋書きを書いたのはロボット研究者だが、実行犯はガイシャの妻、やっぱり夫婦喧嘩でムキーッとなって、ロボットのアームで殴り殺してしまったようだ。
で、ロボット研究者ガイシャの家で働くロボットに、このような命令を与えていた。

1、ガイシャ奥さんが近距離で接触する
2、奥さんが興奮する
以上2つの条件を満たした時、アタッチメントを外して奥さんに渡せ。
奥さんが去ったら、アタッチメントを元通り装着せよ。

奥さんが興奮すると何をしでかすかわからない、という点を見こしての計画。(実際奥さんは興奮状態にあったので、自分が殺したことをまったく覚えていない)
この奥さんソラリア人にしては変わり物で、人間に近づくのをさほどイヤがらない性格(だから殺人計画に利用された)、そういう点にベイリーは好意をもっていた。(不倫する一歩手前)
というわけで奥さんに殺人の罪を着せたくない、むしろロボット研究者1人の犯行にして陰謀を潰したい。(刑事として、どうなの・・・)
こうしてベイリーは無事、ミッション完了!
気がつくと、戸外に出て「はだかの太陽」の下にいても気にならないどころか、むしろ気持ちいい、
ひゃっほー 完

「鋼鉄都市」ほどではないけど、今回もなかなかの傑作。


アイザック・アシモフの作品(小説)ネタバレ
「鋼鉄都市」
https://puripuriouch.at.webry.info/201712/article_9.html

アイザック・アシモフ原作の映画ネタバレ
「アンドリューNDR114」
https://puripuriouch.at.webry.info/201803/article_14.html


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この記事へのコメント

太郎
2020年12月03日 17:58
あー驚いた。放浪の裸の版画家の話かと思えば、アジモフでした。
てか「鋼鉄都市」に続編あったんですね?
ソラリス人の生態がおもしろいけど、それより、あうち様の解説されていた内容の方が興味深い。
ずーっとロボット3原則てデプログラミングしないのが不思議だったのですよね。プログラミング書き換えれば良いじゃんて。
ならほと昔はソフトをインストールするのではなく、ハードウェアに組み込まれる形であった訳ですね。なるほろー。やはり著作の時代を超えられないなぁ。
あうち
2020年12月03日 20:29
はだかの大将(笑
たしかに青春映画のようなタイトルであります。

お役に立てて幸いです。
やはりプログラミングという概念は、それ以前の時代の人にはイメージしにくいでしょうね・・・ いかに天才アシモフとはいえ。
現在の我々にも、登場するまではイメージできないようなテクノロジーが何かあるかも・・・

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